第二十九幕:思い込みの虹
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七夏ちゃんなら!
時崎「よし! アルバム制作に集中しよう!」
再び、凪咲さんへのアルバム制作に集中する。そして、もう一つ、七夏ちゃんへのアルバムも制作を行う。
トントンと扉が鳴った。
時崎「はい!」
俺は、既に分かっていた・・・扉の向こうに居る人が誰なのかを。
凪咲「柚樹君、夕食、出来てますので」
時崎「凪咲さん。ありがとうございます! すぐ頂きます!」
・・・分かっていても、どこかで期待している自分がいた事が後から感情となって追いかけてくる。
時崎「七夏ちゃん・・・」
凪咲「!?」
時崎「あ、いえ、なんでもありません」
凪咲さんの後を付いてゆく形で、居間へと向かう。
時崎「!!! な、七夏ちゃん!?」
七夏「あっ! 柚樹さん・・・」
驚いて、声に出てしまったが、そこには七夏ちゃんが居た。昨日のように部屋に閉じ篭っていた訳ではないみたいで、少し安心する・・・だけど、七夏ちゃんの表情を見る限り、完全に安心しきることは出来なかった。
時崎「よかった・・・」
七夏「えっと、ごめんなさい・・・」
七夏ちゃんと話したのはそれだけだ。その後、特に何も話す事は無く、夕食を進めていると−−−
七夏「ごちそうさまでした」
凪咲「あら? 七夏? もういいの?」
七夏「はい。少し休みます・・・」
凪咲「そう・・・」
時崎「・・・・・」
七夏「柚樹さん・・・」
時崎「え!?」
七夏「失礼・・・いたします・・・」
時崎「あ、ああ」
・・・リセット。以前に凪咲さんが会話をリセットしていたような感覚・・・七夏ちゃんに同じ事をされると、正直心に刺さった。凪咲さんの時は、女将としてお客様への対応と程よい距離を保つ為だと思っていたので、特に何も思わなかったが、今の七夏ちゃんは、凪咲さんの時とは同じように受け入れられない。今、七夏ちゃんと一緒に夕食を頂けた事は嬉しく思うけど、それ以上に堪えた感が残る。この状態で七夏ちゃんに俺の思いを伝えるのは無理だと思った。
凪咲「柚樹君、ごめんなさいね」
時崎「え!?」
凪咲「七夏、ご迷惑をかけてしまって」
時崎「いえ、全然そんな事は・・・それよりも、七夏ちゃんが大丈夫なのか心配で・・・」
凪咲「ありがとう。前にも話したけど、こんな事が今までになかった訳ではないから」
時崎「はい」
凪咲「柚樹君が、いつもどおりで居てくれる方が、七夏にとっても良い事だと思うの」
時崎「そう・・・ですか」
凪咲「ええ」
凪咲さんの表情を見る限り、今までと変わらない事から、七夏ちゃんへも普段どおり接している事が伝わってきた。
時崎「ありがとうございます」
??「ただいま!」
凪咲「おかえりなさい! あなた」
直弥「ただいま、凪咲
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