最終章:夢を追い続けて
第71話「努力の真髄」
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
”を解いた秋十の渾身の一撃を、許す事となった。
ギィイイイン!!
「ぐっ……!」
「だりゃぁあああ!!」
「ぐ、ぉっ!?」
防ぎきれなかったブレードが桜の肩を掠る。
さらに、追撃の回し蹴りが防御の上から決まった。
「ッ……!(まさか俺が読み違えるとはな……!)」
「(追撃は……ダメだな。……はやてとの特訓の経験がようやく生かされたな。……最善手を打つだけが最適じゃない。まさにその通りだ)」
戦略などにおいて、最善手を打ち続けるのはほぼ必勝となる方法だ。
天才であれば天才であるほど、最善手を打つ。
だが、それだけで絶対に勝てる訳ではない。
機械が相手であればそれで十分だが、相手は人間だ。
精神的な揺さぶりもなければ、最善手を突き破ってくる。
……同時に、悪手を態と打つことで、流れを乱すこともある。
「(だが……!)」
「ッ……!」
ギギィイイン!!
だが、悪手は悪手だ。
それが“悪い手”である限り、相応の代償がある。
今回の場合は、秋十の“最適化”が解けたことだった。
桜の反撃を秋十は防ぐが、その上から後退させられる。
「(慣れてきた……!)」
「っ!」
ギギギィイイン!!
しかし、秋十も負けていない。
桜の動きは脳裏に、そして目に焼き付いている。
「(体が動くなら、対処はできる!)」
「(ブレードの動きが覚えられたのか……!)」
例え“最適化”されていなくとも、積み重ねた経験で秋十は応戦する。
かつて桜が秋十に対して行った“動きの記憶”。
それを経験だけで秋十は行ったのだ。
「(だが!)」
しかし、そうなれば。
戦法が変わるのも、当然のことだった。
「(二刀から変えてきた……関係ない!)」
以前であれば、同じ戦い方をし続ければ対処されると思い、秋十も戦い方を変えた。
しかし、今は違う。今の秋十はブレードのみに努力をつぎ込んでいる。
元々器用ではない秋十にとって、複数を同時に極めるよりも、一つを極め続ける方が力量も上がるのだ。
「ふっ……!」
ギィン!ギギィイン!
「(戦法を変えない?俺に動きを覚えられても構わないのか?……いや、違う。秋十君には“これ”しかないのか。これ以外に、俺に勝てる術はないということか……!)」
片手に構えられた銃から放たれる弾丸を、秋十は弾く。
今の桜は、ブレードと銃を持つ遠近両立の状態だ。
間合いが一度離れた今、秋十も銃を持たなければ不利。
だというのに、構わずにブレードを以って間合いを詰めようとしてくる。
「(……そうか。複数を鍛えるよりも
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ