最終章:夢を追い続けて
第71話「努力の真髄」
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ギギィイン!!ギィン!ギギィイン!!
桜はさっきまでと違い、連撃は放たない。
秋十の言う通り、技を作った本人の前では簡単に対処されてしまうからだ。
それどころか、反撃まで繰り出してくる。
その事に、桜は少なからず脅威を感じていた。
「はぁっ!」
「ッ……!」
「(躱されたか!)」
桜の放った一突きが、体ごと傾けた秋十の頬を掠めるように空振った。
そのまま、秋十は体勢を戻すと同時に横一閃を放つ。
ギィイン!!
「……一刀だけじゃないのを忘れるなよ?」
「っ……」
だが、それはもう一刀を取り出す事で防がれてしまう。
負けじと秋十ももう一刀構える。
「(……やはり、か。秋十君の防御は俺でも抜けなくなった。だが、攻撃の際は防御が薄くなる上に、防御時の鋭さが消えている。……あの状態は、受け身でないと働かないか)」
桜は秋十の“最適化”の特徴を見抜く。
無意識に近い状態でないとできない状態なのだから、当然と言えば当然だ。
「(しかし、それは秋十君も理解しているはず)」
「(たったこれだけで気づかれた……さすがは桜さん)」
秋十も見抜かれている事は何となくわかった。
互いにブレードを交えつつも、思考を巡らしていく。
ギィイイイン!!
「(やはり、ただ攻めるだけでは突破できないな)」
「(防御と反撃だけじゃあ、桜さんを捉える事はできないか)」
一度間合いを離し、互いの様子を探る。
「(さて、どう出るべきか……)」
初めての膠着状態になる。
今までは桜がどの状態でも対処出来ていたため、途切れのない攻防が続いていた。
だが、秋十が“最適化”してから容易に攻める事が出来なくなっていた。
そのため、間合いを保った状態で互いに様子を見る事になったのだ。
「(いくら捉えられないといっても、俺から攻撃しては隙を晒すだけだ)」
「(秋十君から攻撃する事はほぼ確実にないだろう。だとすれば、俺から攻めるしかない)」
「「(だとするならば……!)」」
二人は同時に思考し、結論を出すと共に行動を開始した。
「(反撃してきた上から対処する!)」
「(攻撃してきた所を、敢えて攻撃しに行く!!)」
……そして、ついに桜が読みを“外した”。
それは、天才故の合理的判断から、“小さい可能性”を捨てたためのミス。
動きを“最適化”させているからありえないと思っていたのが、仇となったのだ。
秋十は、敢えて最善手ではなく悪手を取ったのだ。
「なっ……!?」
そして、それは僅かとはいえ桜の動揺を誘い……。
「ここだっ!!」
一時的に“最適化
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