ミライトーク『アルサスの平穏』
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今日もここは静か。そして穏やかだ。
緩やかに吹く風に、自らの銀髪を遊ばせながらそう思う。
―――――そう、草原と風の世界アルサスの朝は早い。
あの旅を終えてエレオノーラ達は一度アルサスへ立ち寄った。ティグルには帰還の意味を含めて、一同はここアルサスにいるのだ。
物質創生能力船『フツヌシ』???
かつて、世界樹そのものと化したそれは、世界を脅かす存在となった。
ウチュウと呼ばれる空の領域にまで幹を伸ばし、鋼の巨人たちをこの大地へ降らせて、このザクスタン、アスヴァール、ムオジネル、それ以外の大陸、いや、世界そのものを滅亡させようとしていた。
戦犯の名は――カロン=アンティクル=グレアスト
そして――マクシミリアン=ベンヌッサ=ガヌロン
この二名である。
アオイ=源吾という人物が、世界樹の頂上で私たちをずっと待ち続けていた。それも
、肉体を失ってなお、魂だけの存在となって待ち続けていたというのだ。
ティグルの持つ黒き弓。私たちが持つ、誇りそのものにして竜具と呼ばれる超常の武具は、元々凱の生まれた時代の名残からうまれたものだという。
全ては、凱を元の時代へ取り戻そうとしたことが、この世界のすべての始まりだった。
――最初聞かされたときは驚いたものだ。
ティル=ナ=ファが『000』……トリプルゼロの扉を制御するトリニティなんたらの三種の制御人格だったり――
ジルニトラが『人間を危険な方向に進化しないよう、知的生命体が持つ最大の欲求――夢』に介入していく三対の統合行動端末だったり――
ジルニトラの体内から生まれた『コア』はやがて『竜』となり、そこから人間や動物??数多くの種が生まれたとか――
寿命を迎えた竜はやがて『銀閃』『凍漣』『光華』『煌炎』『雷禍』『虚影』『羅轟』となり、その七つの要素はやがて世界を形作る大陸と化し、海に還り、空へ舞っていくことで、トリプルゼロによって滅ぼされた世界を再生させていったそうだ。
永遠に比す時間をかけて行われる――世界再生計画と人類補完計画。
そのコアの成りそこないが、蛙の青年とか箒の魔女とか呼ばれる『魔物』だったり――
生機融合体――エヴォリュダーと呼ばれる存在が、ジルニトラの元となったり――
ガイのGストーン情報を蓄積した『コア』から、ガヌロンが誕生したり――
ジルニトラの制御核から竜具が生まれ、ティル=ナ=ファの三つの人格のうちの『人』が、そのジルニトラに助けを求めて戦姫が生まれた。
ガイがなぜ、竜具を使えるのかを初めて知った瞬間だった。
通常、竜具は戦姫を選ぶ性質上、女性しかなれない。
ともかく――――
気の遠くなるような年月をかけて、『地球』と呼ばれる世界は再生をして今に至るということだ。
とにかく、知識も無
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