第二章
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「いましたね」
「ううむ、御前さんこの前の異人さんの親戚か」
「はい、従妹ですよ」
ダイアナからみてというのだ。
「私は」
「そうじゃな。雰囲気がそっくりじゃ」
「そうですか」
「うむ、それで御前さんも妖怪が好きか」
「大好きです」
「英吉利人というが英吉利人は妖怪好きか」
「好きな人多いですよ」
エミリーは納戸婆に微笑んで答えた。
「実際に」
「そうなのか」
「はい、ですから今日こちらに来ました」
「わかった。ではな」
「では?」
「わしの知り合いを紹介するか」
納戸婆は身体の下半身、足のない幽霊そのままのそこを納戸から出した状態で腕を組んでそれで言った。
「そうするか」
「妖怪のお知り合いですか」
「海の妖怪じゃがいいか」
「はい、いいですよ」
エミリーは妖怪に明るい笑顔で答えた。
「是非です」
「紹介していいか」
「宜しくお願いします」
「そう言うならいいがのう」
納戸婆はエミリーの言葉を聞いてそれならと応えた、そのうえで彼女に対してこう言ったのだった。
「住之江区の海岸に行くのじゃ」
「そこにいますか」
「そこに行けば会える」
そうだというのだ。
「その妖怪にな」
「納戸婆さんのお知り合いにですね」
「うむ、会える」
「わかりました、じゃあ行ってみます」
「夜に出るが言っておくが」
「夜に女の子の一人歩きはですね」
「危険じゃぞ」
それはというのだ。
「そこは用心することじゃ」
「はい、では警棒持っていきます」
エミリーはすぐに用心の話をした。
「二段式の特殊警棒を」
「そういえば御前さん剣道もしておるな」
「そのこともありますし」
それでというのだ。
「警棒持っていきます」
「あと私も一緒に行きます」
ダイアナが従姉として出て来た。
「これで大丈夫ですね」
「うむ、おなごならば用心しておれ」
危険にはというのだ。
「世の中悪い奴も多いからのう」
「大阪もですね」
「そうじゃ、悪い奴は何処にでもおるからのう」
妖怪は今度はダイアナに話した。
「あと夜だから南港の方には寄らんことじゃ」
「南港にはですか?」
「あっ、夜の南港は人が沈められるんです」
エミリーはダイアナにすぐにこのことを話した。
「ヤクザ屋さん、日本のマフィアがいまして」
「それで、ですか」
「はい、悪いお仕事をしていまして」
こうした世界の人間の常としてだ。
「人をコンクリートに詰めて沈めたり麻薬の取引をしていまして」
「そこに行って現場を見ますと」
「私達も大変になりますので」
「だからじゃ。何処に行けば会えるかは話す」
今からとだ、妖怪は二人に話した。
「そこに行って南港になぞ行くなよ」
「まだ南港そんな話ある
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