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世界に痛みを(嘘) ー修正中ー
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…!?」

 だが鍵が地面へと落ちる刹那、地下室の床が開き、鍵が……





 呑み込まれることはなく、アキトの掌へと吸い込まれた。

「敵の前でわざわざ牢の鍵を出してくれるとはお優しいことだな。」

 言うまでもなくアキトの能力である。

「うおお、ナイス、アキト───!」
「アキトが鍵を…!鍵を取った───!」
「俺はお前を信じていたぞ、アキト!」

 ルフィ達はアキトに対して歓声を上げる。
 そんなに褒めるな、照れる。

「ほう、これは珍しい能力だ。」

 だがクロコダイルはルフィ達など目もくれず、アキトを見据えていた。
 初めて見たアキトの能力の実態について思考を巡らしているのだ。
  
 それに有用性にも優れていることも伺える。
 だが本人はその能力に驕っている様子は見られない。
 どこまでも冷静だ。

「くはは、ますます俺の部下に欲しくなってきた。」

 上機嫌な様子でクロコダイルは笑う。
 実に愉し気に、まるで財宝を見つけたとばかりに。

「胆力・頭の切れ・敵を前に全く動じることはない貴様の冷静さは大した物だ。」







「……ならば戦闘能力はどうだ?」

 突如、クロコダイルが義手ではない右手を大きく振りかぶり、勢い良く振り下ろした。

 途端、顕現するは砂の刃へと変化した右手から繰り出される巨大な斬撃。
 アキトとビビの前の机が大きく裂け、タイル造りの強固な床までも大きく裂かれていく。

 アキトは即座にあれが途轍もない威力を秘める攻撃であることを理解する。
 即座に頭の中を駆け巡るいくつもの対処法。
 


 回避、駄目だ。
 此処は周囲が巨大な水槽に囲まれた地下室。
 回避の行動を選択してしまえば瞬く間にこの場は水で溢れかえってしまう可能性がある。
 そうなってしまえば海楼石の檻に閉じ込められているルフィ達が溺れ死ぬことは明白。

 ならば自身の能力による相殺。
 これも駄目だ。むしろ悪手と言っても良い。
 この場の地下室の正確な強度が推し量れない以上、衝撃波による対処は最悪の結果を招いてしまう可能性がある。

 だとすれば受け止めるしかない。
 右腕はビビを抱きかかえているため使えない。
 ならば左手で対処するしかない。

 必ずや受け止めてみせる。
 ビビは勿論、周囲に衝撃の一つも伝えはしない。

 アキトは左手の掌を迫る巨大な砂の断層攻撃へとかざす。
 背後には巨大な水槽、前方にはクロコダイル。
 自身の右腕にはビビを抱え、アキトは勢い良く迫る砂の猛威を迎え撃った。







 途端、アキトの掌に途方もない衝撃が伝わった。

 周囲に霧散する衝撃波。
 
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