「言葉はむずかしいです……」
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ル……」
ともかく先のクエストには参加していなかったが、やはりアスナ同様に以前のアインクラッドで出会っていたのか、キリトが信じられないような表情で呟いた。それにはキズメルも気づいたようだったが、ひとまず、プレミアへ恭しく頭を垂れた。
「巫女様。よくお休みになられましたか?」
「はい。ご飯も美味しくベットもよく眠れました」
……巫女様。先日のクエストで呪いそのものとなったモンスターを、祈りとともに消失させたプレミアを、エルフたちはそう呼んでいた。エルフの伝承に残る聖大樹の巫女と、プレミアの行動がそっくりだというのだ。
「ただ……すいませんが、『みこさま』というのは全然わかりません」
「いえ。我々が呼ぶだけですので、お気になさらず……さて。そなたも私の名前を知っているのか?」
「え? ああ……」
とはいえ肝心のプレミアがこの調子のために、巫女かどうかも怪しいけれど。本人に聞いてもやはり何も分からないらしく――設定がないのだから当然だが――当の、エルフの伝承を調べさせてもらったが、やはり特にプレミアに関する手がかりもなく。エルフたちはそう扱うという形で決着したらしく、巫女様――プレミアへの挨拶が済んだキズメルは、改めてキリトへと視線を向ける。
「後回しにしていたが、アスナもそなたも、どうして私の名前を知っているんだ?」
「えーっと、それは……」
「あー……人族の間に、腕の立つエルフの隊長がいると噂になってて、是非とも手合わせがしたいと……」
「なんと。それは光栄だな」
「とにかく……会えてよかった。キズメル」
まさか前世とも似たキズメルと知り合いだったなどとは言えず、キリトはしどろもどろになりながら、どうにか言い訳を絞り出した。隣で理由を考えていたアスナからも、「えぇ……?」という呟きが漏れるが、特に疑うこともなくキズメルは信じてくれたらしい。苦笑いとともに肩を撫で下ろすキリトだったが、次なるキズメルの言葉にすぐさま固まることとなった。
「なら、我々エンジュ騎士団に一つ指南でも頼めないか? こう見えて我々も、人族の剣さばきには興味があるんだ」
「……いいぜ。エルフたちに胸を貸してもらおうかな」
「え、キリトくん……?」
口から出任せだった手合わせを向こうから言い渡された、いわば予想外の事態だっただろうに。キリトは小さくうろたえたものの、すぐさま不適な笑みを見せてキズメルからの申し出を受け入れた。てっきり断るものだろうと思っていたもので、ショウキも口には出さなかったものの、アスナと同様に怪訝な感情を伺わせたけれど、人の心配をしている暇などなかったようで。
「もちろん私としては、ショウキにも来てほしいのだが」
「すいませんが、ショウキとリズ
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