ウィスの告白
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「それに此処にウィスもいるかなーって思って来たけど、結局いなかったし……。」
ドロシーは肩をすくめながらも嘆息する。
全くウィスは何処に行ってしまったのか、ドロシーは切実にそう思う。
「まあ、今はそれよりも……」
そんな中、ドロシーはギンタ達との会話を打ち切り、背後へと振り返った。
彼女は視界がまともに働かない状況で廊下の奥を覗き込む。
「……9人?出ておいで。」
魔女としての顏を出し、ドロシーはその紅き鋭い視線を飛ばす。
この場に赴いた時から感じていた魔力を放つ集団へと。
突如、ドロシーの高まる魔力に反応するかのように面妖な仮面を付けた集団が現れた。
彼らの登場にドロシーは笑みを浮かべながら立ち上がり、魔力を高まらせ、臨戦態勢へと移行していく。
「本来なら私が人助けをすることなんて滅多にないんだけど……」
「ウィスもこの場にいなかったし……」
「消化不良だから私が貴方達の相手をしてあげるよ。」
魅惑的な笑みを浮かべるドロシーにギンタ達は戦慄し、言葉が出てこない。
誰もが魔女ドロシーの放つ雰囲気に圧されていた。
こうしてドロシーと謎の仮面の集団が遭対しようとした刹那……
途端、城の城壁が崩壊した。
否、派手に吹き飛ばされ、仮面の集団が軒並み蹴散らされた。
強固な城壁が易々と破壊され、全てが粉微塵と化していく。
「お取組中、失礼。」
丁寧な言葉とは裏腹に件の人物は仮面の男達の顔をぞんざいに踏み付け、蹴飛ばしながら足を進める。
言うまでもなくその人物はウィスであった。
普段の悠々とした態度を崩さず、微笑を浮かべている。
「何だ!?手前ェは!?」
「お忙しい中申し訳ありません。」
ウィスは親指で抑え込んだ中指をはじき出す。
途端、その男は途轍もない速度で廊下を突き抜け、その姿を瞬く間に消失させる。
「何なんだ、貴様はー!?」
「はいはい、邪魔ですよ。」
ただ射抜くだけでウィスと対面していた男がまた1人為す術無く城壁をぶち破り、城外へと放り出される。
ある男は額を小突かれただけで地面へとめり込み、残りの男達はウィスが周囲に波及させた魔力の本流によって皆仲良く壁へと陥没する。
言うまでもなく一人残さず戦闘不能な状態である。
「あ──!ウィス──!」
当然、そんなウィスの登場に過敏に反応するはドロシー。
周囲の目を憚ることなくドロシーは前方のウィスへと勢い良く飛び付いた。
「いや──!また会えた──!元気してた──!?」
ドロシーはウィスの首回りへと思い切り抱き着き、嬉しさの余りドロ
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