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魔女の付き人(仮)
ウィスの告白
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 ディアナとの邂逅を終え、再び空へと飛翔したウィス。

 遥か遠方に感知できるギンタとドロシーの魔力を頼りにウィスは今、天を飛んでいた。
 白銀の光に包まれながら、途轍もない速度で大陸上を横断している。

 既にウィスの目的は達した。
 この世界の成り立ち、ドロシーの姉である女性との邂逅、ARMと呼ばれる神秘の結晶の調査、そしてこの世界を脅かす存在の確認。

 ウィスはドロシー達と別れてからたったの数日で、それら全てを調べ終えていた。
 それ以降の行動指針は今のウィスには存在していない。
 ならば後はドロシー達と再会するだけだ。

 そしてウィスは宙を浮遊することで飛翔し、大気を突き抜け、大陸を途轍もない速度で横断し、瞬く間に目的の場所へと辿り着く。

 だがウィスは突如、飛行を中断し、何かを確認すべく遥か上空から眼下を見下ろした。

 眼下にそびえ立つは氷漬けにされた白亜の居城。
 見れば周囲には魔力が迸り、大気を凍り付かせ、極寒の環境が創り出されている。

 感知できる魔力はドロシー、ギンタ、バッポ。
 残りの幾つもの魔力はウィスの知り得ないものだ。

 その半数は邪悪なる魔力を有し、今やギンタ達と交戦している。

「─。」 

 幾ばくかの逡巡の後、ウィスは宙から降下し、眼下の白亜の居城へと向かった。







??????







 同時刻、白亜の居城内。
 周囲は凍え、廊下の至る箇所が氷漬けになっていた。

「ふーん、成程ね。ギンタ達はそういった理由でこの場に来たってわけか。」

 今、この場にはドロシーを含めたギンタ、ジャック、バッポ、エドがいた。
 そんな緊迫とした状況の中、ドロシーが静かにギンタ達の前に座している。

「そうなんだよ、ドロシー。」
「き…綺麗な人っすね!ギンタのお友達っすか!?」
「ふん!また、現れおったわ、この無礼女めが!」

 ギンタは困り顔になり、ジャックは鼻の下を伸ばしてしまっている。
 バッポは心底嫌そうに、エドはただ彼らの遣り取りを視界に収めている。

「でも急いだほうが良いわよ。熟練の術者でもこの状況では半日も命が持たないだろうから。」
「は…半日!?」

 ドロシーの言葉にギンタは思わず狼狽する。
 あと半日、あと残り半日で1人の少女の命運が決まる。

 想像以上に彼女に残された時間は少なかった。

「何じゃその言い草は!?まるで他人事の様に!?」
「だって他人事だもん。私が此処に来た目的はあくまでARMなのよ?」

 ドロシーの余りの冷たい言い草にバッポは苦言を申し立てるが彼女は真面に取り合わない。
 彼女が此処に赴いたのはあくまでARMを確保することなのだから。
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