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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
“変”
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 この世界、正確にはこの国で“瘴気”が発生しているらしい。
 よく分からない現象がこの世界で起こっていると、俺は女神さまに呼ばれただけだったはずだ。
 なのに気づけば前の世界に関係がありそうな何かに巻き込まれている。

 ただ一つ気になるのは、

「国中で噴出した? 自然発生的に?」
「そうよ。それがどうかしたの?」

 エイダがそう返してくるが、俺にとってはそれは奇妙に感じる。
 何しろそういったものが噴き出すのは決まって、“魔族”がそこにいるからだったからだ。
 だが、この世界のあの魔王たちが使う“闇の魔力”からは“意思”が感じられない。

 そもそも“魔族”の元をただせば“闇の魔力”なわけで、『卵が先か、鶏が先か』といったような状態なのかもしれない。
 前の世界では、あの世界に現れた別勢力のようなものだった。
 世界を作った“神”も含めて滅ぼされそうになったがための戦いだった。

 いわば、意志を持って“暴走”した状態があの“魔王”“魔族”といった敵でもある。
 “闇の魔力”も使いようによっては、世界の一部としてうまく働かせられるとも言われているらしい。
 扱いが難しく、神々でもそれが扱えるのは一握りといった話も聞いたことがある。

 だが、ちょっとした雑談で聞いたその話と、前の世界で俺が遭遇した悪夢のような倒すべき敵といったイメージが強くて、本当か? とも思っているが。
 話を戻すが、自然発生的にその“闇の魔力”が噴き出しているらしいが、

「そこに“魔族”がいたりはしないのか?」
「“魔族”? おとぎ話じゃあるまいし、そんなものいるわけがないでしょう? 闇の女神、ハデス様もそんなもの作ったといった話は聞いたことがないし」
「闇の女神、ハデス様?」
「そうよ。でも……へんね」

 そこでエイダが俺に近づいて俺の顔をまじまじと見る。
 どうしたのだろう、というか顔が近すぎる。
 エイダはこう見えても美少女なのでこう、キスするくらいの距離にあるとは言わないが、ちょっと近すぎのような……と俺が思っていると、

「貴方の魔力、何か“変”だわ」
「“変”?」
「そう。あまりにも個性がなさすぎる。純粋な魔力に近いというか、以前本で読んだことがあるけれど、“異世界人”のように見えるわ」
「それはそうですよ。俺、異世界人ですし」
「そうなの?」
「はい」

 とりあえず俺はそう答える。
 今の所この世界は異世界人に対してそこまで偏見がなさそうなのだ。
 だから答えても大丈夫かと俺は思ったのだが、そこで、エイダの目の色が変わった。

「異世界人、女神さまがこの異変に対処してもらうために何人か異世界人を呼んだと聞いているわ。あなたがその一人なのね……追いかけてきてよかったわ。手伝って
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