暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ゲスエロス
18話→兄と弟(前編)
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
すものであり、ISはその解決策である。

それの中心的知識を独占することは、他国の防衛権の侵害につながるとして、日本のIS産業に介入しようとしてきたのだ。

日本を攻めてきた奴等がどの面下げてと言いたいが、ここで喧嘩腰になるのもあまり経済的観点ではよろしくない。

日本は悩んだ末に、結論として、日本に最大限のメリットを享受できるシステムを構築した上で、国内に国連加盟国の共同開発&訓練所を設立した。

それが、今、俺の目の前にあるIS学園である。

さて、着いた事は着いたけど…………。

まあ当然、ISという軍事機密の塊を保管している学園である。警備はただの高校とは比べ物にならない。銃器すら保持しているガードマンがいるくらいだ。

昔みたいに『あ、お疲れ様です』とか言って中に入ろうものなら、そのまま蜂の巣にされそうである。

うーん、かけ直せば良いのかな。

ショートメールが送られてきているなら、この番号にかけ直せば兄に繋がるはずである。

(でも仕事中だったら迷惑だし…………)

そうやって暫し悩んでいると、一人の少女が、一夏に駆け寄ってきた。

「織斑、一夏君だよね?」

「あ…………はい」

見知らぬ相手に急にフルネームを呼ばれたことには困惑するが、別に間違っていないのでとりあえず頷く。

同時に、自分を呼んだ相手を再度眺めた。

水色のシャギーのかかった髪に、チシャ猫を思わせる切れ目の瞳を持つ美少女。

(うーん、分からないなあ)

一夏は頑張って記憶を手繰ってみるが覚えがない。

そのため、返事はしたものの、どう反応するか悩んでいると、一夏の心情を見抜いたのか、彼女は手を軽く振って言葉を紡いだ。

「あー、ごめんごめん、私たち初対面で合ってるわ。だん……いや太郎から頼まれて、迎えに来たの」

一瞬言い淀んだ言葉も気になったが、それよりも気になる事を一夏は彼女に問いかける。

「なんで、兄貴は俺がこの時間に来るって分かったんですか?」

ある程度待つつもりで早めに来た筈なのに。

その疑問に、彼女は首もとを差して答える。

「太郎のペンダントは今、持ってる?」

その返答に一瞬ぎょっとするも、そういえば兄の関係者だと思い直し、なるべく動揺を表に出さず、答えた。

「ええ、兄貴のプレゼントですから、肌身離さず持ってますよ」

ペンダントの『中身』についてはおくびにも出さず答える。

兄との約束だ。例え誰であっても『それ』については話す気はなかった。

自分の動揺に気づいているのかいないのか、彼女はサバサバと言葉を重ねた。

「そ、それ。それの機能の一つで、君の現在位置を把握したの。ま、GPSみたいなもんね」

そう答えると、彼女
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ