第36話
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メサイアは疲れた表情で指摘した。
「そうか?新興でありながらもエレボニアと”同格”であるクロスベルとより親密になれる機会だから、小国であるリベールからすれば問題にする所か、積極的に彼女達と俺との婚姻を進めてくるんじゃないのか?リベールの跡継ぎであるクローディア姫は女性だから、政略結婚をしようにも婿に取る相手は慎重にならざるを得ないだろうしな。それを考えるとリベールが政略結婚という方法で他国との関係を深める為にはクローディア姫に次ぐ立場―――デュナン公爵か、各都市の未婚の市長達と他国の立場がある者達と政略結婚させることだが……クローディア姫の性格を考えると、クローディア姫は幾ら国の為とはいえ相思相愛でもない政略結婚には賛成しないだろうしな。」
「そう言う口ぶりをするという事は既に私達の予想通りの展開になっているようですね………ハア………」
ヴァイスの推測を聞いたリセルは疲れた表情で片手で頭を抱えて溜息を吐き、その様子を見守っていたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「さてと。話を戻すがそちらは初対面になるな。」
そして話を戻したヴァイスはクルトに視線を向けた。
「―――初めまして、両陛下。ヴァンダール家が次子、クルト・ヴァンダールと申します。お二人の事は兄より伺っております。」
「兄……ミュラー中佐ですね。彼には”影の国”の時にお世話になりました。」
「フッ、その弟とこんな形で邂逅する事になるとは予想外だったが……これもまた巡り合わせなのだろうな。」
クルトの自己紹介に対してリセルは微笑みながら答え、ヴァイスは静かな笑みを浮かべてクルトを見つめ
「………恐縮です。」
クルトは謙遜した様子で答えた。
「そして、改めてになるがそちらのお嬢さんがリセルの話にあった………」
「―――ユウナ・クロフォードです。クロスベル軍警察学校出身で改めてトールズ第Uに入学しました。」
ヴァイスに視線を向けられたユウナは真剣な表情で自己紹介をし
「リセルから第U分校入りの経緯は聞いたが………――――悪かったな。知らなかったとはいえ、俺の部下が俺達”六銃士”に対する忠誠心が厚いあまり、俺にとっても後輩にあたるお前に理不尽な理由で迷惑をかけた上、わざわざ外国であるエレボニアの士官学院に入学し直す羽目に合わせてしまって。」
「っ………」
「ユウナさん……」
ヴァイスの話に唇を噛みしめたユウナの様子をリセルは複雑そうな表情で見つめた。
「色々あるだろうが、これもまた巡り合わせだ。――――第Uで成長したお前がクロスベルに戻ってきてロイド達と一緒に活躍する時が来ることを期待して待っている。」
「はい………陛下の期待に応えられるよう……そしてあたしの
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