第36話
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「リィン教官…………」
「………わかってはいた事だが、”自分達”の様子を見るなんて何だか不思議な出来事だな……」
リィン達がオルキスタワーに向かって行く様子をそれぞれ地毛とは異なるウィッグを被り、”第U分校の制服ではなく旅装を身に纏った並行世界のアルティナ”は辛そうな表情で”自分達と共に歩いているリィン”を見つめ、クルトは静かな表情で呟いた。
「フフ、そうですわね。ですが、やはり並行世界だけあって、現時点での新Z組のメンバーも私達の世界と異なりますわね。」
「そうね……あの蒼銀の髪の女性教官もそうだけど、今”この世界のあたし”としゃべっている純白の髪の女生徒なんて、あたし達の世界の第U分校にはいなかったわよね?」
苦笑しながら呟いたミュゼの言葉に頷いたユウナは不思議そうな表情でセレーネとゲルドを見つめていた。
「……恐らく蒼銀の髪の女性はミシェルさん達の話にあったこの世界のリィン教官の婚約者の一人―――――セレーネ・L・アルフヘイム教官かと。」
「と言う事はあの女性が竜族の姫君か………見た感じは僕達”人間”とほとんど変わらないように見えるが………」
「……それにミシェルさん達の話通り、この世界の私は私よりも明らかに身体的成長をしていますね。………セティさん達から頂いた”成長促進剤”の効果が早く出て欲しいです。」
「――――――」
ミュゼの推測を聞いたクルトは考え込みながらセレーネを見つめ、アルティナはリィン達と共に歩いている自分自身を見つめて呟き、アルティナの意見に応えるかのようにクラウ=ソラスは機械音を出し、その様子を見たユウナ達は冷や汗をかいた。
「って、アル!クラウ=ソラスは目立つから、街中ではしまいなさいって!」
「あ、すみません。」
我に返ったユウナの指摘を聞いたアルティナはクラウ=ソラスをその場から消えさせ
「フフ、それよりも”サフィーさん”。”ルディさん”の呼び方が間違っていますわよ?」
「う”っ………仕方ないでしょう?まだ、慣れていないんだから。」
「しかも小説で出てくる登場人物の名前ですから、余計に慣れないですよね。」
「君達はまだマシな方だと思うぞ……?僕なんか”剣帝”という僕には分不相応で、しかも実際に僕達の世界に存在する相当な剣の使い手と同じ異名までついた人物の名前―――ザムザだしな………」
ミュゼに呼ばれたユウナ―――サフィーは唸り声を上げた後アルティナ―――ルディと共に疲れた表情で呟き、クルト―――ザムザは困った表情で答えた。
「あたし達だけ小説の人物の名前を偽名にしているのに、”ミューズ”だけ自分で考えた偽名なんだからなんか、ズルくない?しかもあたし達と違って、すぐに自分の偽名で呼ばれる事にも慣れてい
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