第36話
[3/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
んね。」
ゲルドの疑問を聞いたリィンとセレーネが血相を変えている中ユウナは呆けた声を出した後複雑そうな表情をし、不思議そうな表情で首を傾げているクルトの疑問にアルティナは静かな表情で答えた。
「……そうかもしれないわね。感じられる魔力も微弱だし。……ところで、アルティナはあの”鐘”が何なのか知っているような口ぶりだったけど、アルティナはあの”鐘”が何なのか知っているの?」
「はい。……とは言っても、リィン教官やセレーネ教官程ではありませんが。」
「?教官達もあの”鐘”の事についてご存知なのですか?」
ゲルドの質問に答えたアルティナの答えが気になったクルトはリィンとセレーネに訊ね
「ああ………あの”鐘”は約2年前のIBCによる資産凍結騒ぎの少し後に起きたディーター・クロイス政権による独立騒動でクロスベルの”異変”を起こす為に使われた魔導具の類だったんだ。」
「とは言ってもクロスベルをディーター・クロイス政権から解放した際に、あの”鐘”が起こしていた”異変”も当然収まりましたし、あの”鐘”はあくまで”異変”を起こす為に必要であった魔導具の類の為、あの”鐘”自体だけでは”異変”は起こせませんから、2年前のクロスベルでの異変のような出来事は2度と起こりませんわ。」
「そうだったんですか…………」
「………………」
「それじゃあ、あの”鐘”自体にはもう危険性はないから、今でもこの都市のオブジェとして飾られているのね。」
リィンとセレーネの説明を聞いたクルトが驚いている中、リィン達同様”鐘”についての事情を知っているユウナは複雑そうな表情で黙り込み、ゲルドは静かな表情で呟いた。
「いや、あの”鐘”はクロスベルにとってのシンボルマークだから、単なるオブジェじゃないわよ。―――――ほら、周りにあるクロスベルの国旗にもあの”鐘”と似たような”鐘”が描かれているでしょう?」
「あ、ホントだ………やっぱり”国”も違うからエレボニアやメンフィルの旗もそうだけど、街並みも全然違うわね……」
ゲルドの言葉に苦笑したユウナは街灯等に付けられているクロスベルの国旗を指さし、ユウナの指さしにつられるようにクロスベルの国旗に描かれている広場にある”鐘”と似た”鐘”のマークを確認したゲルドは目を丸くした後興味ありげな表情で周囲を見回した。
「ハハ、初めての”特別演習”やリーヴス以外の都市に来たゲルドにとっては何もかもが新鮮で興味が尽きないと思うが、まずは”特務活動”を始める為にオルキスタワーに行くぞ。」
「オルキスタワーは北に抜けて行政区経由で向かいましょう。」
ゲルドの様子を微笑ましく見守っていたリィンはセレーネと共に先に進むように促し、ユウナ達と共にオルキスタワーに向かい始めた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ