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逆さの砂時計
Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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って。

 たとえば……時間と時間を繋いだ遥か先で、有限の君達が結界を越えて、白と黒の世界へ辿り着く。そんな驚きの展開があっても良いよね。
 もちろん、そこに禁忌は無い。
 危険なら、いーっぱいあるけどね。
 やれるところまでやってみると良いよ。

 ただね。
 ただ、君達の意思(じゆう)や認識が、同じ時間を生きる誰かと向き合い、誰とでも認め合えるものだという事実だけは、どうか忘れないで。
 君達の魂は、一つ一つが違う色を放つ光だけど。
 それは、他の色彩を塗り潰す為のものじゃない。
 君達は、『個』であって、『孤』ではない。

 創造神を魅了した輝きが、限界まで連綿と受け継がれていくように。
 私が消えた後もずっと、ずぅーっと、祈り続けているよ。



 …………ああ…………
 君に出会えて、君に(げん)を託せたからかな?
 一気に疲れが襲ってきたよ。
 まだ見届けてないのに、私ってば、焦りすぎだねえ。
 ふふ……。

 …………ねえ、君。
 最後に一つだけ、良いかな?

 ……私に……

 …………この『私』に、ね…………

 ……こ…………こゆ……………………

 ぬあああ──っ! ごめん!
 なんでもない、忘れて!

 えっと、ほら!
 私も、ずっと力を使ってたら、その分だけ消耗しちゃうからね!
 意識への介入を切るよ!
 あれやこれやと、いきなり押し付けちゃって申し訳ないんだけど!
 後は頼んだ!
 君も、最後まで頑張って!

 じゃあね!

 ……元気でね!

 …………ばいばい。

 元始の……、……の欠片を持つ……、なつかしい、きみ…………



━━━━━━━━━━


 私にすべてを教えてくれた『彼女』の意識は、もうどこにも無いけれど。
 せめて、『彼女』が愛したこの世界へ、『彼女』個人を表す名前として、相応しい響きを託したい。
 そう、思っています。

 神々の言葉で『死を混ぜる者』と呼ばれた『彼』
 『レゾネクト』と同様に。

 神々の言葉で『輝きを混ぜる者』を意味する
 『エルネクト』 ……と。


           『逆さの砂時計』外伝・完



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