Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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は、自分自身に定義を求めた創造神が、無自覚のうちに、自分から分離させた『もう一人の創造神』。
創造神に外形と性質を視認させる為だけに生まれ、創造神が求めたから、創造神の望みを受動的に叶えるようになった『完全なる複製』。
生まれた時から創造神という『基準』があったあの子には、自分自身や、自身を取り巻く環境に対して、疑問を抱く余地がなかった。
そのせいで、意思と呼べるものが初めから備わってなかったんだよ。
だから、創造神と同じものを見たり聴いたり、体験しても。
創造神と同じようには感じてない。知識として蓄えているかも怪しい。
そもそも、能動的に何かを考えたり、実行したりができないんだ。
ある意味、指標を示せばそれなりに動く白よりも、空っぽだった。
ゾッとしたよ。
あの子の本質は、創造神を映す為に生まれた『鏡』だ。
じゃあ、映すものが居なくなったら、『鏡』はどうなる?
創造神と同じ力量を有したあの子を、単体で遺してしまったら。
あの子は、そこからどこへ向かう?
…………そうだね。
あの子は、自分がこれからどうするべきかを知る為に。
核を手放す前の創造神と同じ力量を用いて、創造神の痕跡を追う。
消える寸前に張った結界なんて、白や黒ならともかく、あの子にとっては障害物でもなんでもないからね。
あの子はあの子のまま、創造神の影を求め続ける。
そして白の陣は、黒の陣を統轄していたあの子が君達の星に留まることを決して許さない。君とあの子が出会うまでに起きたであろう惨劇の数々が、目に浮かぶようだよ。
創造神は失敗した。
違う。失敗し続けていた。
あの子を、ちゃんと見ていなかった。
教わる機会も学び取る術も与えられなかったあの子は、いつか自分自身を取り巻くすべてに疑問を抱くだろう。
けど、その疑問はきっと、永遠に解消されない。
創造神に対するあの子のような、『鏡』に映る存在が現れない限り。
あの子自身を正面から見据えてくれる存在が現れない限り。
疑問はあの子の中で蟠り続け、理解できない物事はあの子を傷付ける。
それでもあの子は、たった一人で。
傷付いた自覚すら無いまま、目に見えるすべてに理解を求め続けるんだ。
なんて酷い牢獄。
なんて残酷な仕打ちをしてしまったのか。
創造神のわがままがあの子に与えたのは、永遠の孤独だ。
あの子だけじゃない。
君達の世界にも、白と黒の生物達にも、ゴールデンドラゴン達にも。
創造神とは違う意思を求めながら、自分自身の欲求を投影するばかりで、本
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