Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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核《しんぞう》を、君達の星に埋めた。
せめて、色彩がより長く続くように。
ゴールデンドラゴンが砕いた欠片を一定の大きさに戻して隔絶空間全体へ行き渡らせ、可能な限り変質が持続するように。
ちゃんと、元の形に戻ろうとする働きを助長して集束が加速しないよう、あの子に強制排出と撹拌機能を付与してもらってね。
それから、ごちゃ混ぜにしすぎないよう、物質の誘導係を二人産んで核の近くに配置した後、あの子と一緒に白と黒の世界へ戻り、空間と湖との間に網状の結界を張ったんだ。
その上で
「網目は個として存在できるギリギリの大きさで、一度でも通り抜ければ、完全な単一性を誇る白や黒には戻れない。ゴールデンドラゴン達もたくさん置いてきた。それでも良いならどうぞ、いってらっしゃい?」
って、黒の陣に言ってやったら。
ためらいもせずに全員で突っ込んでいくんだもの。
声を上げて笑っちゃったよ。
どんだけ退屈してたんだよ?? ってさ。
白はさすがに二の足を踏んでたけど。
黒が隔絶空間の中で悪さするんじゃないかと心配になったみたいだね。
結局、創造神とあの子だけを残して、みんな君達の星へ跳んでいった。
満足だったよ。
この上なく満足だった。
純白だった髪や目が色を含んじゃうくらい、脆弱になっちゃったけどね。
色彩を残す為の手段を考える時間は、戦いとかじゃ比べ物にならないほど楽しくて充実してた。
知っているのに知らない『何か』の答えも、きっちり得られたし。
喧嘩っ早い白と黒が網目を潜り抜けたおかげで、色彩にも幅が出る君達の星はきっと、創造神が思うよりずっと綺麗に輝いていくんだろう。
創造神が消失しても、あの子は変わらず存在し続けるから。
今後はあの子が創造神の分まで見守ってくれる。
もう、どこにも憂いは無いと。
そう思ってた。
でも、とんだ思い違いだった。
あの子ね。
消える寸前の創造神に尋いたんだ。
『俺はこれから、どうすれば良い?』
……言ったよね。あの子は創造神そのものだって。
あの子の口癖、お前がそう望むなら、なの。
創造神が何を言っても、何をしようとしても、何をさせようとしても。
核を埋めた直後、星の生物にならって雌雄を分けた時でさえ。
あの子は必ず、そう答えてくれた。
あれね。
創造神が消滅する間際まではずっと、創造神がしたいようにすれば良い、その手助けくらいはしてやる、って意味だと思ってたんだけど……
本当は、違ってた。
あの子には、自我が無い。
あの子
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