暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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出し、作り上げる者。
 構築し、固定する者。
 混ぜ合わせ、組み上げ、定める者……か。

 響きはカッコイイね。
 厳密には少し違う気もするけど、 (あなが)ち的外れってほどでもないし。

 うん、気に入った!
 私のことは、創造神って呼んで!
 と言っても、君達が『創造神』と認識している本当の私は、とっくの昔に消滅してるんだけどね〜。

 そうそう。
 この私は、本当の私が最後の力を振り絞ってあの子の内側に刻みつけた、私……じゃない、創造神の『欠片』だよ。
 あの子が誰かを自分の意識に受け入れた時、その誰かに創造神(わたし)のお願いを聴いてもらいたくてさ。
 君が来るまでの間、ず―っとここで……あの子を構成する物質の中心で、こっそり凍結してたんだ。

 ちなみに。
 君は今、器から魂を抜き取られて、無理矢理停止させられてるんだけど、私が意識部分に介入してる状態ね。
 だから、ほら。
 私には接触できないでしょ?

 生命力を動かさないように意識を繋げるなんて本来は矛盾した行為だし、すっごく難しいんだよ。
 創造神(わたし)、結構頑張ったんだから!
 えへんっ!

 ……………………ごめん。
 置いてきぼりにするつもりは、なかったんだけどね。
 私以外の意識と(げん)を掛け合うなんて、あんまり経験しなかったからさ。
 ちょっと浮かれちゃってるんだ。
 嬉しくて。

 …………ふふっ。
 君は本当に、()()()()()んだねえ。

 ああ、意味が解らないよね。
 大丈夫。これから全部、順を追って説明するよ。
 あの子が少なからず気に入ったのであろう君には、創造神(わたし)を……
 というより、あの子を、しっかり理解して欲しいからね。
 長い長い昔語りになっちゃうけど、どうか、最後まで聴いておくれ。

 そうして、君がここから解放された後。
 あの子に創造神(わたし)(げん)を伝えてほしい。
 それが、私からのお願い。
 私にはもう、これくらいしか、してあげられないから。



 さて。
 私達を理解してもらう為には、君達の世界の始まりを語る必要があるね。
 君は、君達の世界の成り立ちを、どこまで理解しているのかな?

 …………ふむ。
 一となる私が居て、万物を創造し、営みの制約と善悪を定めた、か。
 まさに『創造神』の扱いなんだね、私。
 大雑把には合ってるけど、やっぱり微妙に間違ってるような気もするな。

 よし。
 じゃあ、そこから始めようか。

 創造神はね。
 実のところ、いつから・どうして・どうやって・何の為に生まれたのか、自分でも解ってなかったし、今でも、よく解らないんだ。

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