第十章 風が吹いている
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ションと、臨天堂Witchでのゲームソフト化も決定した。
ソーシャルゲームとして売り込むためにキャラクターを大幅に増やしたい佐渡川書店と、ストーリーを重視したいアニメ制作会社とで、熾烈な争いが繰り広げられているらしい。
破竹の勢いの快進撃、になってもなんら不思議でない、大いなる可能性を秘めた作品。それが、「魔法女子ほのか」なのである。
といっても現在のところは、裏で大人によって作り上げられた人気なのだろう。佐渡川書店が関わっていることから、巷ではそのように認識されている。
佐渡川書店とは、メディアミックスで有名な大手出版社だ。
金の匂いを嗅ぎ付ける能力が非常に高く、「魔法女子ほのか」もアニメ化が決定されると、まだそれが公になるより前に、ぞわぞわ触手を伸ばしてあれよあれよと様々な権利を買い取って、まるで自分たちが発掘した作品であるかのように制作発表を行い、いつの間にか制作全体を牛耳る立場になってしまっている。
佐渡川が、「Webから生まれたアニメ」という「魔法女子ほのか」の特徴を大々的に宣伝し、大いに注目度を集め高めた上で、アニメ放映が開始されたというわけだ。
もちろん面白くなければ人気が出るはずもないが、スタートラインの地点で有利であったことに違いはないだろう。
佐渡川の体質、暗躍ぶり、あくまで噂であり真偽のほど定夫には分からないが、ビジネスと考えれば当然のことなのかも知れない。
だから定夫は、特に気にしていない。
汚れているとも思わない。
作り上げられた人気というのが本当だとしても、我々の作った原作への高評価があったからこそ、テレビアニメ化の話もきて、佐渡川が接触してきたわけで、自分たちがうしろめたい思いをする必要などはまったくない。
キャラの名称をことごとく変えられた件に関しても、先ほど説明したような理由で、納得は出来たことであるし、従ってテレビアニメ化に関しての不満は現在まったくない。
一視聴者として、毎週毎週を楽しみに待つだけだ。
まあ、ひとつだけいわせてもらうなら、自分たちの作った、いまやパイロット版ともいえるWeb版、これの公開を完全に禁止されているのは、ちょっと納得いかない。ということくらいか。
佐渡川が、この過去作品をどう市場活性に生かすかを現在検討中ということかも知れないが。どうであれ、いま感じているこのわくわくした気分に比べれば、取るに足らない些細なことだ。
テレビ版「魔法女子ほのか」、最高である。
なんといっても、ほのか役の声優が那久唯奈さんなのが素晴らしい。「はにゅかみっ!」の主人公、珠紀|琴《
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