第十章 風が吹いている
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態度も悪いな、てめえ! まあ、ほのかはかわりに頭が悪いけどな」
「口が悪いのは、お前だろ! それと、正体秘密なんだろ、隠れるならもっと上手く隠れろよ、間抜け! ……それはともかく、さっきの怪物、マーカイ獣っていうの? やり口の超卑劣な奴だったな。ほのかと危うく絶交しちゃうとこだったよ。改めて謝るよ。あたしが悪いのに怒鳴っちゃって、ごめんな、ほのか」
「いえ、その……私が、食べちゃったというのも、本当で……」
ほのか、困ったように、視線を右に左に泳がせている。
ぽわわわわん、と回想シーン。
「ほにゃ、こんなところにケーキがっ。ひょっとしてあおいちゃん、私のために残しといてくれたのかなあ。それじゃ遠慮なく、いっただきまあす!」
回想シーンの画面を、バリンと鉄拳がぶち割って、顔面ドアップになったあおいが叫ぶ。
「えーーーっ! 食べてないっていってたじゃねえかああ!」
「だって、だって、あの剣幕で迫られて食べましたなんていえるわけないじゃないですかああ!」
「行列すっごーく待って、あたしでちょうど最後だったという奇跡的に買えた一個だったんだぞ! もうっ、もうっ、ほのかとは一生クチ聞かねーーーっ!」
「ごご、ごめんなさあい」
「知らん」
「そんなあ」
「許さん」
ぺこぺこ謝るほのかと、回り込まれるたびにぷいっとそっぽを向くあおい。
宙にふわふわ浮きながらそれを見ていた太った黒猫ニャイケルが、振り向いてカメラ目線で、
「こいつら、マーカイ獣がなんにもしなくても、チーム結成初日で崩壊の危機を迎えてたんじゃねえの?」
はあああ。もうやだ。と、うなだれ、ため息。
すーっとカメラの角度が上を向いて、夜空の月を映し出した。
雲間に見え隠れする、満月を。
そして、エンディングテーマへ。
3
「はふーーーーっ」
山田レンドル定夫は、赤、青、黄、緑、四人の魔法女子が笑顔で踊る3DCGアニメによるエンディングを観ながら、ため息を吐いていた。
ため息といっても、感動感激感無量のため息だ。
魔法女子ほのか、第三話。
今回も満足納得の、素晴らしい内容だった。作画、ストーリー、どちらを取っても。
納得不納得というならば、都賀ないきが、椎あおいというまったく別の名前に変えられてしまったのは不本意であったが。
放送開始前から分かっていたこととはいえ。
小説ならば文字だけなので、「ないき」などは地の文に溶け込んで見ずらいためと理解出来るが、アニメなら音だからあまり関係ないはずなのに。
おそらくは、ラノベ化のためなのだろう。と、これまでは漠然と思っていたのだが、今日の話を観て、考えが変わ
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