第35話
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「フン、各種観察記録もしっかりやることだな。」
ミントとセレスタン、シュミット博士はそれぞれ生徒達に見送りの言葉をかけた。そして教官達や生徒達はデアフリンガー号に乗り込み、デアフリンガー号は演習地に向けて出発し、生徒達やアルフィンとエリゼがデアフリンガー号で英気を養っている中、リィン達教官陣は演習地到着前のブリーフィングを行っていた。
〜デアフリンガー号・2号車―――ブリーフィングルーム〜
「クロスベル駅への到着は明朝5時過ぎを予定している。物資の搬入後、演習地へと向かい3日間のカリキュラムを開始する。……ちなみにランドロス教官とオルランド教官。わかっているとは思うが―――」
一通りの説明を終えたミハイル少佐はランドロスとランディに視線を向け
「へいへい、わかってますって。」
「やれやれ、器が小さいねぇ。」
視線を向けられたランディとランドロスはそれぞれ呆れた表情で答えた。
「………?」
「何かあるんですか?」
「一応、前もって言っておく。ランドロス・サーキュリー教官並びにランドルフ・オルランド教官は『クロスベル帝国軍』から第U分校に派遣している立場となる。当然、現地に知り合いも多いだろうが万が一そちらに気を取られてしまえば肝心の演習が疎かになる可能性もある。その意味で、今回は演習地周辺に留まり、市街に出るのは自粛してもらいたい……―――そのような”要請”が非公式だがエレボニア帝国政府から来ているのだ。」
二人の様子が気になったリィンの質問にミハイル少佐は驚愕の答えを口にした。
「また、あからさまな要請をして来たわねぇ。」
「馬鹿な……!」
「そ、そんな事をエレボニア帝国政府はランディさん達に要請したんですか……!?」
「い、幾らなんでもそれは――――」
ミハイル少佐の答えを聞いたレンが呆れている中リィンやセレーネ、トワはそれぞれ怒りの表情でミハイル少佐を睨んだが
「まーまー、抑えた抑えた。」
ランディが苦笑しながらリィン達を諫めた。
「―――ぶっちゃけた話をしちまえば、俺達がエレボニアの士官学校に派遣されたのはクロスベルの無茶苦茶皇帝とリア充皇帝の”思惑”があってのことだ。余計な憶測を疑われて、こっちの仕事を邪魔されない為にクロスベルに戻る予定はなかったが……今回みたいな話になったら、ま、当然そう釘を刺されちまうわな。」
「当然その”要請”の件についてはクロスベル帝国政府にも話が行っていて、政府はその”要請”を承諾したとの事だから、クロスベル側も今回のオレ達に対するエレボニア側の”要請”についても文句はないぜ?」
「ランディさん……ランドロス教官………」
「………………」
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