第34話
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5月15日――――
〜格納庫〜
翌日、機甲兵教練の為に\組の生徒達が機甲兵のメンテナンス等をしている中その様子を見守っているランディにリィンは近づいた。
「なんだかんだ、主計科の連中も様になってきたじゃねえか。トワちゃんやレン嬢ちゃん、それに爺さんの指導が適切なのかもしれんが。」
「どの人物も非凡な人だからな。博士はまあ、放任主義みたいだが。生徒達も頑張っていると思うし……前回よりは上手くこなせると思う。」
「ああ……ここでの違いは緊急時の対応を左右するからな。戦術科や特務科の連中も負けずに仕上げるとしようぜ。」
「ああ……!」
ランディの言葉にリィンは力強く頷いた。
「そういや―――話は変わるが、あの後、大変だったんだって?」
「ああ……もう少し上手い断り方ができたと思うんだが……」
ランディの指摘で昨日のセドリック皇太子の勧誘の件を思い出したリィンは困った表情を浮かべた。
「はは、人気者はツラいねぇ。それにしても……あれがエレボニアの皇太子か。オリヴァルト皇子やアルフィンちゃんと比べたら親しみは感じにくかったな。というか正直あの皇太子とアルフィンちゃんは双子らしいが、似ているのは容姿だけで性格に関してはなんつーか、真逆だな。まあ、誰が皇族っぽいかといえば、皇太子の方かもしれんが。」
「そうだな………」
ランディのセドリック皇太子に関する感想にリィンは静かな表情で同意した。その後準備を終えたリィン達は2度目の機甲兵教練を開始した。
2〜4限 機甲兵教練
〜グラウンド〜
「―――ウェイン!重心移動には気をつけろ!咄嗟の旋回ができれば前回みたいな対戦車砲の直撃もギリギリ回避できるぞ!」
「りょ、了解であります……!」
「マヤ、お前の持ち味はアウトレンジでの行動だ!狙撃、支援、移動―――常に距離を保ちつつ即行動に移れるようにしろ!」
「イエス・サー。」
「………………」
「昨日の事……まだ引きずってる?」
「殿下のお誘いについて迷っているんですか?」
「えっと……セドリック皇太子はクルトの実家の事についても言っていたけど……それも関係しているのかしら?」
生徒達と共に機甲兵教練を見守っていたクルトは複雑そうな表情を浮かべて黙り込み、クルトの様子に気づいたユウナやアルティナ、ゲルドはそれぞれクルトに訊ねた。
「まさか……今更考えられないさ。……それでもいつか一命を賭してでもお守りしようとしていた方だ。本校行きを辞退した事が本当に良かったのか……つい考えてしまってね。」
「そっか………」
「…………………」
「………少なくてもクルトが本校に行かなか
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