第二十七幕:虹の華をつないで
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桜「んじゃ、早速、お兄さんの部屋でいいんだっけ?」
時崎「ああ。よろしく頼むよ」
七夏「私、お飲み物を持ってまいりますね☆」
時崎「では、こちらへどうぞ!」
天美さんと高月さんを自分の部屋へ招く。やっぱり七夏ちゃんが居ないと、少し落ち着かないな・・・二人は七夏ちゃんと強く繋がっている訳だから。この落ち着かない気持ちは俺と天美さん、高月さんの繋がりがまだ細い事を意味している。二人の様子を見ているとそれぞれの性格が現われてくる。天美さんは机の上に置いてあった製本アルバムのパンフレットに早速気付き、それを見つめている。高月さんは部屋の端に横座りをして、瞳を閉じて休憩している。どう声を掛ければいいのだろうか?
七夏「柚樹さん!」
時崎「七夏ちゃん!」
扉の向こうから七夏ちゃんが来てくれた。俺は扉を開けると同時に安心してしまう。
七夏「お邪魔します☆」
時崎「どうぞ!」
七夏ちゃんは、お飲み物と和菓子を乗せたお盆を持っていた。
七夏「はい☆ どうぞです☆」
心桜「つっちゃー!ありがと!」
笹夜「ありがとう♪ 七夏ちゃん♪」
七夏「くすっ☆」
心桜「お兄さん、これ?」
時崎「え?」
天美さんは、製本アルバムのパンフレットを指差す。
時崎「あ、そうそう、アルバムのデザインをどうしようかと思って。高月さんも、良かったら一緒に」
笹夜「はい♪」
二人は、製本アルバムのパンフレットを眺めながら、何か小声で話している。俺はMyPadのデジタルアルバムを表示して、二人からコメントをもらう準備をする。
心桜「これかな?」
笹夜「ええ♪」
心桜「お兄さん!」
時崎「え!?」
心桜「あたしたちは、これがいいと思ったんだけど」
笹夜「どうかしら?」
俺は二人が決めたデザインを見て嬉しくなった。
七夏「それ、私と柚樹さんもいいなって思ってました☆ ね? 柚樹さん?」
時崎「ああ。みんな一緒の意見で良かったよ!」
七夏「くすっ☆」
心桜「やっぱ、セブンリーフ好きなら、これ一択でしょ!?」
時崎「天美さんも、そう思ったんだ」
心桜「『も』って事は、お兄さんも?」
時崎「一応・・・」
心桜「うわっ!『お兄さんと一緒』かー」
時崎「嫌なのか?」
笹夜「心桜さんっ!」
心桜「いや、昔、そんなテレビ番組があったなーって」
七夏「くすっ☆」
・・・天美さんの言動も七夏ちゃんとは違う方向で読めない。
時崎「で、これに、二人のコメントを貰いたいんだ」
心桜「どれどれ?」
時崎「高月さんも」
笹夜「はい♪」
積極的な天美さんに対して、高月さんは控えめだ。高月さんは七夏ちゃんや天美さんの先輩だけど、実際、七夏ちゃんと高月さんを牽引しているのは天美さんかも知れない。
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