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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第33話
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私とて、この時期に移籍するなど筋が通らないとも思っている。だが、相手はこのエレボニアを継ぐ至尊の座が約束された方でもある。」

「それは………」

「殿下が強く希望されたら政府も頷かざるを得ないだろう。ただ、問題はメンフィル帝国政府の許可も必要になる事だが………判断は君自身に委ねる。気が変わったら私に言いたまえ。」

その後教官室を出たリィンは校舎や街を見回った後宿舎へと戻り、宿舎の食堂で夕食を取って自室に戻り明日に備えての準備を終えてラジオ番組を聞き終えるとマキアスに連絡をし、ラジオや次の演習地について話し合っていた。



〜宿舎・リィンの私室〜



「いや、しかしやっぱりミスティさんはミスティさんだな。僕もよく聴いていたが、軽妙でユーモアのある語り口もあの頃のままというか……途中から”魔女”だという事も忘れてすっかり聴き入ってしまったよ。」

「はは、確かにな。………しかし”光と闇の帝都”クロスベル、か。タイミングが良すぎて驚いたな。マキアスの出張先がクロスベルだったのも驚きだが。」

「はは、それについては昨夜僕が言った通りになっただろう?現地についたらクロスベル軍警察の業務を手伝う事になるが……お互い忙しいだろうが何とか会える時間を作れないか?」

「ああ、もちろん。お互い連絡を取り合うとしよう。そう言えば………”三帝国交流会”に参加するエレボニアのメンバーについてはマキアスの方ではわからないのか?」

マキアスの提案に頷いたリィンはある疑問を思い出し、マキアスに訊ねた。

「ああ……監査院は立場上、政府の情報は伝わらなくてね。何となく見当はつくが……まあ、憶測は止めておこう。―――それより、皇太子殿下の成長ぶりは、帝都でも話題になっているが……君をいきなり引き抜こうというのはさすがに驚きだな。」

「いや……こちらも素っ気なく断りすぎたかもしれない。機会があればもう一度、きちんと話したいんだが……」

その後マキアスとの通信を終えたリィンは明日に備えて休み始めた――――



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