9時間目
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「ああもうこんな時間か……、さっさと風呂に入るか」
着替えなど必要なものをまとめ、露天風呂へと向かうと先客がいた。
「ん、桜咲か」
「長谷川さん、ですか……」
脱衣所への暖簾をくぐろうとしていたのは出席番号15番、桜咲刹那。
「あんたも今から風呂か?」
「ええ……」
そう言うと先に中へ入ってしまう。
それに続き千雨も中へ入る。
「しかし、桜咲がこんな所へ来るとは意外だな」
「……何でですか?」
服を脱ぎながら話しかける千雨に同じく脱衣しつつ返す刹那。
「いや今さっき知ったんだが、ここって混浴らしいからな」
「な!?」
「まあ、せっかくの露天風呂だからな一回くらいなら入ってみてもいいかと思ったが、……嫌ならやめとくか?」
「い、いえ、大丈夫です」
必要なもの以外を脱衣かごに納め、二人は浴場へと入る。
そこはまさに露天風呂といった風体で、竹でできた敷居や湯を囲む岩々など和を重視した味わいのある設計となっている。
刀を浴室へ持ち込む刹那に若干呆れつつも、露天風呂を壮大さへ関心し、あたりを隅々まで見回す。
「ん?」
「どうかしましたか?」
「いや、なにも……」
そう誤魔化した千雨だったが彼女はこの場にいた先客たちに気付いていた。
(まさか先生とオコジョが先に入ってたなんて……、混浴だってのを知らなかったんだろうな)
一応素肌をできるだけ隠し、千雨は一人シャワーがある方へ向かう。
反対に刹那は湯へと向かい、刀を床に置き体に湯をかけ始める。
そこで何かぶつぶつと呟いているようだったがシャワーを浴び始めた千雨には聞こえるはずもなく、ただ漠然と何か言ってるとしかわからなかった。
そうやって頭を洗い始めた時。
「誰だっ!?」
刹那が大声を上げた。
「逃げるかっ、神鳴流・斬岩剣!!」
おいていた刀を抜き、露天風呂内にあった岩を横に切り裂く。
(一般施設でそんな技を使うんじゃねえ!? 私が一般人だったら大騒ぎするぞ!)
必死に見えてない聞こえてないふりをする千雨。
少しどたばたしたものの、お互いの姿を確認したのか一応は刃を収める刹那。
一難さって一安心する千雨だったが彼女の期待を裏切るように女性の悲鳴がその場に響き渡った。
(!? この声は、近衛か!)
急ぎ桶に溜めていたお湯を頭からかぶり泡を流して声をした方向を見れば、すでに刹那とネギ、カモの三名が脱衣所へと向かっていた。
千雨も急ぎ彼らの後を追い、脱衣所へ入ると、……出席番号13番、近衛木乃香と明日菜の両名が大量のサルに下着を剥ぎ取られているところであった。
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