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勇者にならない冒険者の物語 - ドラゴンクエスト10より -
始まりのジュレット10
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しばらく唖然として眺める。
そして、溜息を吐くと両手棍を改めて握りしめて構えた。
「よし、そうやって増えて俺の邪魔をしようと言うんだな。そう言うことだと言うんなら腕試しを兼ねて討伐してやろうじゃないか、おい」
いざ、尋常に、と姿勢を低く突撃しようとした所で、さらに背後から「ずどーん」と音がして振り向いた。
「うふ、ふふふ、うふふふふ」
「やれやれ、気色の悪い笑い方しやがって。・・・いいーだろうっ、まとめてみんな討伐してやる!」
ずどーん「ふひ、ふひひひひ」
ずどーん「けけけ、けけけけ」
ずどーん「いひっいひっ、いひっいひっ」
「・・・ええーっと・・・・・・・」
ずどーん「くけ、くきききき」
ずどーん「ひゃひゃひゃ、ひゃひゃひゃ」
『きゃはは、うふふ、いひひ、えへへ、おほほくくくけけけかかか』
ずどーん「ひぃぃいーーーーっひっひっひっ!!」
「ええっとー・・・」
刺激するのはヤバイと思い、ゆっくりと歩いてスマイルロック達の間をすり抜けていく。
相変わらず不気味に微笑んでいたが、動作の緩慢な相手にはどうやら反応しないようだ。
そう考えて遂にスマイルロックの群を通り過ぎた時、背後でごろりと何かが転がる音がした。
恐る恐る振り向いてみると、
一斉にスマイルロック達がバルジェン目掛けて転がり出した。
「うおお、まじかーーーーーっ!」
だが、相手は重たい上に転がりにくい形状をしている。全力疾走すれば振り払える。
筈だったのだが。
ごろごろごろ、ゴロロロロロロロロロロロロッ。
ものすごい速さで回転を始め、追いすがって来る。
「って、まてー! おかしいだろう! ゲームだとそんな動きしねーーーーーー!!!」
叫びながらなんのゲームの話だっけ、と疑問が浮かんだがそれどころではない。
時折飛び跳ねては小さなクレーターを作りながらバルジェンを押しつぶさんと迫って来る、都合30体ものスマイルロック達。
追いつかれたら間違いなくミンチにされてしまう。
「待て待て待て待て! おかしいおかしいおかしいおかしい! こんなのありえねーーーーー!!」
『うふふあははえへへおほほくぽぽ』
おかしな笑いが混じりながらも驚異的速度で迫り来るスマイルロックに、本気の全力疾走でバルジェンは逃走を図った。
チョウキはキャンピングドルボードの屋根の上に登って晴天の空を見上げた。
出発してから何時間経つだろうか。一向に討伐対象を見つけられずに疲労を感じてきていた。
「そもそもが、討伐対象になるほど増えてはいないのではないのか?」
不満げにチョウキが呟くと、下からジアーデ
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