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167部分:ラグナロクの光輝その二十一

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ラグナロクの光輝その二十一

「貴女達がワルキューレですね」
「はい」
 中央にいる美女がそれに答えた。
「私の名はブリュンヒルテ」
「ブリュンヒルテ」
「はい、ワルキューレの一人です。そしてここにいる八人が私の同志達です」
「同志ですか」
「そうですまずは」
「ワルトラウテ」
 一番上の一人が語った。それから時計回りに一人ずつ名乗っていく。
「ヘルムヴィーデ」
「ゲルヒルデ」
「シュヴェルトライテ」
「オルトリンデ」
「ジークルーネ」
「グリムヒルデ」
「ロスヴァイセ」
 彼女達はそれぞれ名乗った。ここに九人のワルキューレの名がわかったのであった。
「私達もまた貴方達と同じです」
「私達と同じ」
「そう、ヴァルハラの戦士」
「この銀河の運命を司る者達です」
「この銀河の運命を」
 ローエングリンがその言葉に反応した。
「それはどういうことだ」
「それは貴方が一度御覧になられた通りです」
「知っていたのか」
「今まで何度か言われてきているが」
「オフターディンゲン公爵」
 ブリュンヒルテが彼に声をかける。
「貴方はそれをエリザベートにより導かれている筈です」
「何故それを」
「ジークムント提督」
 ジークムントは彼女に顔を向けた。
「何だ?」
「メーロト殿との戦いもまた。運命だったのです」
「そうだったのか」
「カレオール藩王」
 今度はトリスタンに対して。
「クンドリー殿の望まれたことは。もうすぐおわかりになられます」
「そうか」
「シュトルツィング執政官」
「今度は私か」
 ヴァルターはその言葉に応えて彼女達を見た。
「竜はまた姿を現わします。御注意を」
「やはりな」
「そしてヴァンフリート首領」
 ジークフリートにも。
「全ては。ヴァルハラでおわかりになられます」
「全てが、か」
「はい」
「何もかも知っておられるようですね」
 パルジファルは一連のやり取りを見てワルキューレたちに対して言った。
「貴女達はどうやら。ただ戦っておられるだけではないですね」
「その通りです」
 彼女等はその言葉に頷いた。
「私達もまた。運命の中にあります」
「運命の」
「はい。七人の選ばれた戦士達よ」
 それがパルジファル達のことであるのは言うまでもない。九人の乙女達は今彼等を見据えていた。
「ムスッペルスヘイムにおいで下さい」
「そこに全ての謎への鍵があります」
「鍵が」
「そうです。今その道は開かれました」
 ケルンとジュッセルドルフでの勝利によって。彼等の道は開かれたのだ。ワルキューレ達はそれを言っているのだ。全てが開かれたのだと。

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