暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜 IF
第11話 鬼畜王戦争の記憶T
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の評価だ。ヤツは余の片腕となる男なのだからな』
『あー、暗黒魔女さん。そのアイツがどうしたって? またどっかで現れて、さーっと助けて、ぱーっといなくなったのかい?』
『む? パットン・ヘルマン。確かにその情報も余に入っている。……が、それとは別件だ。お前達も判っているのではないか?』

 ミラクルの視線が鋭くなった。それに連動する様に他の者達の表情もまた変わる。

『時折舞い降りては、人類を救う英雄。……確かに、我らにとっても人類全体にとっても益にしかならん。まさに救世主。助かる存在と言って良い。……が、このままで良いと本気で思っているのか? 安易に考えてはいないか? それに、余は縋るだけの者を部下に持った覚えはないのだがな』

 まるで挑発する様に言うミラクル。
 それに真っ先に反応したのが志津香だった。

『アンタの部下になったつもりは無いけど、言いたい事は判るわ。………ああいうの、腹立つ。こっちにだってプライドはあるんだから。変に恰好付けられて、助けられてばっかりなのも癪だし。……それに 助けるんなら、戦うんなら、……………いつまでも隠れてないで、此処にきなさいって言ってやりたい』 

 ぎりっ……と志津香は強く拳を握りしめていた。でも、彼女の表情は複雑だった。ただの怒り――ではない様に。

 他の者達も大なり小なり同じ意見だった様だ。
 そして、志津香同様に複雑な表情をしていた。

 そんな中で。

『はい。私もそう思います。……どう、でしょうか。確かに今の状況は危ないです。……ですが、現状の私達にとってなくてはならない人、の筈です。……何処に所属をしているのか判りませんが、正式に部隊にスカウトをすることを私は提案します』

 ヘルマンの大統領 シーラ・ヘルマン。
 彼女も手を上げて提案をしていた。

 ミラクルが言いたいのは、恐らくだが 助けられてばかりでプライドは傷つかないのか? と言うものと、本格的なあの男の獲得に集中する、と言う提案だ。ミラクル自身がすれば良いでは? と思うのだが、正直な所、彼女1人に手に負える相手じゃないと言うのは周知の事実であり、現状においてそこまで手が回らないと言うのもある。つまり、戦争が激しくなった為人類側に余裕はない。と言う事だ。


『くくく。良い返事だ。魔想志津香、シーラ・ヘルマン。他に異論のある者はおるか?』


 ミラクルの言葉に意を挟む者はいなかった。

『だが、あの男は正直ミラクル以上に自由奔放な男だ――。何処に現れるかの規則性の類、当て等はあるのか?』
『ふむ。よくぞ問うてくれたブラッドランサーよ。当然当てはある。寧ろ今、このタイミングこそが好機だ』

 ミラクルは 清十郎の方を見て笑うと、 ぱちんっ と指を鳴らせる。すると魔法ビジ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ