オーバーロード 狼牙
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が頭部からこぼれ落ち、味わうための味覚も存在していなかった。辛うじて嗅覚があり、香りを楽しめると言っていたが、絶対残念そうにしているはずだ。リアルで考えれば給料が底辺に近いモモンガさんが天然の食材を得ようとすれば野菜一つで給料が全額飛ぶ。
だが、この世界ならナザリックに貯蔵されている食物や、この世界原産の食物が、全て天然の食材なのだ。そこそこの給料をもらっていたオレですら年に1度口にできるかどうかと言った肉がそこらに転がっているのだ。それが楽しめない。楽しめるかもとワクワクしていたのに、それが出来なくて、それどころかオレや一般メイドの、シクススを気遣って自分は気にしていないとまで言わせてしまった。
今は自室に戻ってきて人狼形態でテーブルに突っ伏している。部屋には護衛と世話役としてルプスレギナとリュミエールが部屋の隅に待機している。
「ヴァイト様、大丈夫っすか?」
ルプスレギナが恐る恐る訪ねてくるが、身体に力が入らん。
「だめだ。ただでさえ、ドジ踏んで5年も音信不通だったのに、枷が外れたことで出来ていたことが出来なくなったなんて。鬱い」
情けない姿を晒してしまっているが構うものか。
「あの、私たちにお使いになったリソースとやらを」
ルプスレギナが言おうとした先を言わせないためにテーブルを叩き割る。
「全員に伝えておけ。二度とリソースを戻せなどと、馬鹿なことをほざくなと。階層守護者達にも伝えたが、オレもモモンガさんもお前達と語り合えるようになったことを、本当に嬉しく思っているのだから」
「申し訳ありませんでした」
「ああ、分かれば、いや、待てよ、リソース、馬鹿?」
何時だったか、アインズ・ウール・ゴウンに所属する前に何処かで思ったことが。なんだったか、ルプスレギナが馬鹿なのは設定だし、ルプスレギナ?ワーウルフ?
「……あっ、思い出した。モモンガさんに内密に人手を集めろ!!9層の一番奥の部屋に集めろ!!」
言い終わると同時に駆け出して、9層の一番奥の部屋、通称ゴミ箱に飛び込む。そこはミスリルやオリハルコンの武器や防具、炎ダメージ7割カットなどのアクセサリーなどのゴミアイテムを放り込んでおくための部屋だ。確かここに放り込んだ覚えがある指輪を探すためにアイテムの山に飛び込む。
「ヴァイト様、ナーベラルを除くプレアデス、全員揃っております」
「ユリ、指輪だ!!指輪を探せ!!」
「指輪、ですか?」
「世界の枷が外れたことで今まで当たり前のように出来ていたことが出来なくなったモモンガさんを救える指輪が何処かにあるはずなんだ!!赤と青の二重螺旋だ!!」
オレが運営に流れ星の指輪を使って要望を上げたことで変身魔法とスキルが実装されたことでゴ
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