オーバーロード 狼牙
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ありえない。口元は震えているし、今にも涙がこぼれそうになっている。慌ててセバスが控えさせようとするが手振りで止めさせる。ユグドラシルでは考えられないことが発生している。ナザリックの図書館にある著作権の切れた娯楽小説の中にあったゲームの中に取り込まれるというのに近い現象が起こっているのだろう。
この異常事態に対応しきれていないモモンガさんはGMコールを行おうとしているのだろうけど、オレとしてはもっと手っ取り早い方法で確認する。人狼から人の姿へ変化させる。これも感覚で出来ると思ってやってみただけだ。コンソールを叩いた訳ではない。この時点でオレはここがリアルになってしまったのだと断定した。
とうとう涙がこぼれだしたルプスレギナを軽く抱きしめて、その唇を奪う。ユグドラシルなら即垢バンを食らう行為だが、何の問題もなくこの場にヴァイトとして存在している。唇を放してアイテムボックスからハンカチを取り出して涙を拭ってやり、そのままハンカチを持たせる。
「大丈夫だ、ルプスレギナ。状況が変わった。モモンガさん、任せてもらえますか?」
オレがルプスレギナの唇を奪うのを見ていたのか、ここがユグドラシルでは無いのかもしれないと思い始めているモモンガさんが首を縦に振る。
「ありがとうございます。セバス!!」
「はっ!!」
「非常事態だ!!ナーベラルを連れてナザリックの周囲1kmを調査せよ。もしこちらとコミュニケーションが取れる存在が居ればナザリックまで連れよ。ただし、抵抗するようならば殺せ!!目撃者も逃すな、行け!!」
「「はっ!!」」
セバスとナーベラルが一礼をして素早く玉座から出ていく。
「各階層守護者は持ち場に戻れ。警戒体制を最大まで引き上げよ。また、階層の点検も行え!!1時間後に6階層の闘技場で途中経過を報告せよ!!行け!!」
「「「「はっ!!」」」」
「プレアデスも持ち場に戻れ。ああ、ルプスレギナは一度顔を洗っておけ。行け!!」
「「「はっ!!」」」
「アルベド、総指揮を取れ。侵入者が居た場合、この玉座までには絶対に誰も近づけるな!!全力で滅せよ!!行け!!」
「畏まりました。護衛はどうされますか?」
「ここまで誰も近づけるなと言ったはずだ。護衛も捜査、迎撃に当たらせよ!!」
「すぐに」
これでモモンガさん以外玉座には居なくなった。鼻と感覚、スキルを使って確認してからロールプレイをやめる。
「何が起こったと思います、ヴァイトさん」
「ペロロンチーノさんが持ち込んでた書物データにあったゲームに取り込まれるタイプの亜種。確実に言えることはゲームじゃなくなったってことですね。嗅覚と味覚もしっかりとあります。人狼形態だと鼻も大分良いみたいです。あと、ルプスレギナは柔
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