オーバーロード 狼牙
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はぁ、金が足りない所為でこれが限界量か。お手製の品で多少ごまかしても目的は達成できないだろうな。それでも、やるしかない。やってやる。あの馬鹿だけは道連れだ。
身辺整理として色々な物を処分していく中、メールが届いていることに気付いた。宛名はモモンガさん?態々課金アイテムでメールを送ってきたのか?
「ユグドラシルがサービス終了するから集まれないか。今日で終了。あの頃は良かったな」
たっちさん、ちゃんとモモンガさんに事情を伝えてくれたのだろうか?ああ、ダメだ。今まで忘れていたっていうのに、一度気になりだしたら止められない。金は、何とか終了時間まで環境をレンタルできる分はあるな。明日には必要なくなるんだ。最後に会いに行こう。何人残っているか知らないが、アインズ・ウール・ゴウンの終わりを共に過ごせればいいな。
「モモンガさん、お久しぶりです」
「ヴァイトさん!?お久しぶりです、来てくれたんですね!!何も言われずに来られなくなったので心配してたんですよ」
最後に会ったときと変わらず、オーバーロードの見た目なのに柔らかい印象を与えてくれるモモンガさんに嬉し涙が出そうになる。そして、たっちさんはモモンガさんに伝えてくれなかったようだ。偶然リアルで出会えたたっちさんは既に引退していたのだが、唯一の頼みすら聞いてくれなかったか。まあ、伝えにくい内容だから仕方ない。
「今まですみませんでした、リアルで色々ありましてね。今日が最終日でよかった。昨日や明日だったら、無理でしたから。今日、今日だけがログインできる唯一の日でしたから」
苦笑のエモーションアイコンを表示させる。
「この5年で、何人残っていますか?」
「……4人です。残りの3人もほとんどログインしていなくて、へろへろさんが何とか遅くにログインしてくれるとメールで」
モモンガさんが悲しいアイコンを表示させる。
「そうですか。栄光の41人が4人まで。一応オレを含めて5人か」
カンストプレイヤー1500人の連合軍の撃退。あの頃が一番楽しい時期だったな。あれから少しして、少しずつ減っていったんだっけ。リアルが忙しくなったり、ギルドメンバー内で喧嘩したり、オレみたいに急にいなくなったり。
「モモンガさん、探検してみませんか?」
「探検ですか?」
「ええ、ナザリック地下大墳墓。攻略時にも主要部分だけを攻略しただけでしたし、拠点にしてからも色々改装はしても、全部に関わったわけじゃないでしょう?」
「そうですが」
「タブラさんが書いたフレーバーテキストを読んでみたり、色々見て回りませんか?誰かがログインしてきたらリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンで転移すれば良いんですし」
「そうですね。探検してみましょう」
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