暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第70話「圧倒的。故に天才」
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「っと……!はっ!」

「さすが、この程度はもう対処できるか」

 回避する先に銃弾が撃ち込まれる。
 それを事前に察知し、ブレーキ。動きを反転しつつ、間合いを詰める。
 だけど、生半可な予測では回避しきれないため、ブレードで銃弾を切り裂く。

「(偏差射撃は桜さんみたいなタイプが絶対に得意とすること。……変に考えて動いた所で、簡単に予測される!)」

 タイムラグなどを考え、相手の動きを予測して撃つ。それが偏差射撃。
 桜さんや束さんでなくとも、理数系に強い人なら可能だろう。
 ……そして、俺の頭ではその予測を破ることは難しい。

「(……でも)」

 本来なら“不可能”だった。それが“難しい”になっているだけマシだ。

「つぁっ!」

     ギギィイン!

「む……」

「はぁっ!」

     ギィイン!

「ほう……」

 当然のように俺の行く先を予測され、そこへ弾丸が撃ち込まれる。
 それを当たるものだけ切り裂き、“無駄に”少しだけ進路をずらして突き進む。
 桜さんはそれを見て、瞬時に予測を変えて正確に俺の進路を妨害する。

「(桜さんは言わば最善手を読み切るスーパーコンピュータのようなもの!おまけに、ある程度の“悪手”すら想定してくる……!)」

 俺が“最善手”を模索したところで、簡単に予測されるだろう。
 “悪手”も同じだ。第一、勝つための“悪手”が俺にはわからない。
 だから、悪手でも最善手でもない、“無駄な一手”を入れる。
 “無駄”ではあるけど、これで俺の動きの流れは変わる。
 それを繰り返すことで、桜さんの読みに乱れを生じさせるつもりだったが……。

「(こりゃ、完全に気付かれたな)」

 まぁ、前提として“そう考えている事”が読まれるわな。
 こういう行動自体が、俺にとっての“最善手”だからな。

「ふっ、はっ!」

「はぁっ!」

     ギィイン!!

 今回は、気づかれても近づくことはできた。
 次は同じ手は通じないだろう。

     ギィイイイン!!

「ぜぁっ!」

「ふっ!」

     ギィイン!

 足払いを仕掛ける。ジャンプで躱され、上からの一撃で間合いが開く。
 即座に間合いを詰めなおし、着地した所を狙うも、簡単に防がれる。

「(二度は通じない……だったら……!)」

「っ!」

     ギィイン!

 単純なこと。動きを変えればいい。

「ッ……!はぁっ!」

「っと、ふっ!」

     ギィイイイン!!

「くぅっ……!」

 横一閃を身を捻らし、高跳びのように躱す。
 そのまま攻撃を繰り出すが、それは回避される。
 そして
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