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152部分:ラグナロクの光輝その六

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ラグナロクの光輝その六

「中立星系に向かわせる者達と帝国にあたる者達を分けるか」
「そうだな」
 他の者達もタンホイザーの案に賛同した。
「それでいいか」
「ではまずは中立星系に向かう者を選ぶか」
「まずは執政官」
「私か」
「はい」
 パルジファルはヴァルターに顔を向けてきた。
「そして公爵」
「そして私が」
「そう、そして博士と」
「うむ」
「私の四人で。中立星系に向かいましょう」
「政治力を知っているメンバーを選んだようだな」
 居残り組となったローエングリンの言葉であった。
「やはり。戦闘よりも対話を選んだな」
「そうです。我々は帝国とは違います」
 パルジファルは述べた。
「戦闘よりも対話です」
「そういうことか」
「司令も政治を知っているように思えるがな」
「司令には今はライプチヒに留まってもらいます」
 パルジファルは今度はジークフリートの言葉に応えた。
「ライプチヒに?」
「そうです。そこで全体を見て下さい。そして時に応じて」
「動くということだな」
「その通りです。ヴェルズング提督とヴァンフリート首領は」
「わかってるぜ」
 ジークムントはニヤリと笑ってそれに応えた。
「前線だろ」
「はい」
「わかった。ではそちらは引き受けよう」
「お願いします」
「まっ、俺は政治よりも戦争の方がいいからな」
「前線にもまた目が必要だな」
 ジークムントとジークフリートはそれぞれの見方を述べた。
「わかったぜ、帝国の連中が攻めて来たら追い返してやる」
「だが。今はこちらからは攻める時ではないな」
「全ては勢力が整ってからです」
 パルジファルは二人にそう述べた。
「それまで。お願いします」
「わかった」
「ではな」
「そして御三方は私と共に」
「うむ」
「だがそれぞれのルートでだな」
「そういうことです。ではお願いします」
 三人とも話をした。
「そしてブラバント司令はライプチヒを」
「ここを拠点としてこれから動くな」
「そうです」
「わかった。では暇があれば守りを固めておこう」
 彼もただライプチヒにいるだけでいるつもりはなかった。まずは備えることを考えていたのだ。
「そしてここを足掛かりとして」
「帝国とも戦っていきます」
「よし、補給態勢も整えておくぞ」
「お願いします」
 パルジファルの狙い通りであった。ローエングリンはすぐに軍政家としての手腕を発揮しはじめていた。それは実に頼もしいものであった。
 まずは中立星系の懐柔と取り込みがはじまった。その中ジークムントとジークフリートはそれぞれの艦隊を率いて前線に向かっていた。

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