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151部分:ラグナロクの光輝その五
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ラグナロクの光輝その五

 杯は宙を舞い七人の間にやって来た。彼等はそれを見ていた。
「我等がこれを飲むことにより」
「その絆は永遠のものとなる」
 古より伝わる義兄弟の絆の儀式である。互いの血が混ざったものをそれぞれが飲むことによりその絆を固めるのだ。彼等は今それをしようとしていた。
「では」
 まずはヴァルターが飲んだ。そしてタンホイザーが。
 ローエングリン、ジークムント、トリスタン、ジークフリートが。六人は今絆で結ばれた。
「そして私が」
「そうだ」
「そして卿が我等の盟主となるのだ」
「私が」
 彼はヴァルターの言葉に顔を向けた。
「それで宜しいのですか?」
「おい、他に誰がいるっていうんだ?」
 ジークムントが彼に対して言った。
「我々がここまで来たのは卿の導きだ」
「そうだ、それがなくては私はここにはいなかった」
 タンホイザーとローエングリンも言った。
「その卿が盟主とならなくて」
 トリスタンも。
「誰が盟主となるのだ?卿の他にはいない」
 ジークフリートも五人と考えは同じであった。
「さあ、今こそその杯を」
「我等の盟主に」
「わかりました」
 その言葉を受け入れて頷く。
「それでは」
 最後に杯を手にした。そしてその中のものを飲み干す。
「これで我々は」
「生きるも死ぬも同じ」
「帝国を、そしてニーベルングを倒す為」
「共に戦う」
「例えどれだけ帝国が強大であろうとも」
「最後まで戦う」
「そう、そして」
 最後のパルジファルの言葉に視線をぶつけ合う。共に同じものを見ていた。
「このノルン銀河に新たな秩序を」
 七人は頷き合った。今ここに運命に導かれた英雄達の盟約が交あわされたのであった。これを七英雄の盟約と言う。銀河の歴史において特筆して書かれる時であった。
 七人のそれぞれの軍を合わせたこの軍は連合軍と名付けられた。彼等はライプチヒを拠点とし、パルジファルを盟主として作戦行動を開始することになった。それまでヴァルター達六人が占領したり同盟を結んだ諸星系はその傘下に収まった。それだけでノルン銀河におけるかなりの勢力となっていた。
 だがそれではまだ不十分であった。帝国の勢力圏は強大であり、その保有する戦力も星系もかなりのものであることはわかっていた。パルジファルはまずは帝国とは直接戦おうとはしなかった。
「未だその旗色を明確にしていない星系が多数あります」
 彼はそこに注目していた。
「まずは彼等を我々に引き込みましょう」
「それで勢力を蓄えるってわけだな」
「はい」
 司令室に七人が集まっていた。パルジファルはその中でジークムントの言葉に答えていた。
「それ自体はいいな」
 トリスタンが一先それに同意する。
「だが」
「だが?」
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