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SAO -Across the another world-
二話 戦乙女の失踪
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目にした事が無かった。
「確かにあまり市外には出なかったですね。私もごみごみした雰囲気はあまり好きじゃないです」
「でも栗原、お前も子供の頃は活発だったような覚えがあるんだけど?」
「私も昔とは変わったと思います」
「自覚してたのか?」
「まぁ、ある程度は.....といっても、昔に逆戻りをするつもりは無いですけどね」
「前から聞きたかったんだけど、どうしていきなり敬語なんか使い始めたんだよ。なんか話しにくいぞ」
「自分でも分からないんですよ。どうしてこうなったのか。誰よりも親しくしている牧田君にもこんな調子でしか話せない....ごめんなさい」
「謝らなくて良い。分かってる」
牧田はそう言うと、隣に座る栗原の手を握った。
栗原は一瞬戸惑うような素振りを見せたが、牧田の真意に気付くと、はにかんで手を握り返した。
「その一言で充分です。.....ありがとう」
それから暫く何も喋らずに時間は過ぎていった。阿佐ヶ谷駅に到着した辺りで再び牧田が口を開いた。
「そういえば、KoBの副団長らしき人の写真とユーリにどんな関係があるんだ?」
「私も詳しい事は分からないんですよ。でも、この写真が手掛かりとなればユーリさんも、義妹さんと再会できますね....」
「....ああ」
何故自分と栗原が、こんなにユーリの事について詳しいのか、普通に考えれば疑問に思うであろう。高度情報社会となった今日の日本では、あちらこちらに個人情報が散らばっているが、それをパズルの1ピースのようにして集めるのは不可能に近いだろう。しかし、自分の狭くも優秀な人脈は、それを可能にしてくれた。
ユーリ・マクラーレンはロシア系のイギリス人で、五歳の頃から日本で生活していた元孤児らしい、というパズルの1ピースではなく、既に組み上がり完成品となった情報を手に入れたのは、自分と親交のある国家公務員からのリークが元であった。菊岡誠司という名前のその公務員は、SAO事件以前から関係があり、自分にとっては数少ない、キャリアエリート組で交友がある人物であった。
SAO事件の最中においては対策チームのトップであったらしく、帰還後に会い、ユーリの事についてつついてみると、すぐに情報が出てきた。
ユーリが孤児となる原因を作り、彼女を捨てた親は行方不明。さらには彼女を引き取った親も現在行方不明で、ユーリの家族と言える存在は同じ元孤児の義妹、マリー・ウィリアムズだけとなったという。その義妹のマリーは現在、菊岡が手配した生活保護プログラムで都内のアパートに住んでいるということだった。
後日、その話を伝えた栗原と共に八王子にあるマリーが住んでいるアパートへと赴いた。マリーは義姉と同じノルディックブロンドの髪の毛を持った幼
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