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SAO -Across the another world-
二話 戦乙女の失踪
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の二人の距離は近い。
それには嬉しくもあり、同時に何かしらの感情を感じたのだがーー
『牧田君?大丈夫ですか?』
栗原からの声に驚き、スマホを取り落としてしまった。慌てて拾い上げ、再び耳に当てた。
ーーそれは全く考える暇も無いままだ。
「あ、ああ。大丈夫だよ。じゃ、一回切るぞ」
『ちょっと待ってください。……気になる話が一つあるんです。この後、時間ありますか?』
今日は土曜日で、特にこれといった用事も無い。
『なら、ちょっと出掛けましょう。どうせ、こちらに還ってきてからどこにも出てないんでしょう?』
確かに、現実世界に帰還した後はあまり外には出ていない。折角のいい機会だと思った牧田は、栗原に行くと返事を返し、早速支度を開始した。
久しぶりの外出だと意気込んで早めに支度を完了させ、外に出るとすでに栗原は外で待ってくれていた。彼女は純白のカッターシャツに青のスカートと黒ストッキングの組み合わせという彼女の醸し出すクールな雰囲気に合っているコーディネートだ。中学生の時以来、約三年ぶりに見る栗原の私服だった。
「では、行きましょうか」
栗原に行先を聞くと、文京区の方まで出るらしい。郊外の東大和から行くとなると電車を使う事になるだろう。コーヒーが好きな栗原の事だからカフェかどこかかな、と適当に検討を付けつつ、家の前から駅まで続く道路を歩き始めた。その牧田の隣にくっつくようにして、栗原は着いてくる。自分の肩よりも身長が低い栗原は、仮想世界で見るよりも随分と可愛らしい。彼女自身はもっと身長が欲しいらしく、早寝早起きを徹底したり、キャラに合わず牛乳を飲めば身長が伸びると思い、牛乳を一生懸命飲んでいる等という可愛い事をしていると彼女の母親から聞いていた。
やはりデータですべてを知覚する仮想世界と違い、現実世界の方はこうして並んで歩くだけでも色々な情報が手に入れられる。改めて感じる彼女の身体の小ささ、透き通るような艶の黒い髪の毛、そして、こうして肩を接して歩く事によって微かに感じる彼女の体温。仮想世界では感じることのできないものばかりだ。
「牧田君、歩いていてずっと無言というのもどうかと思うので、何か話しませんか?」
「じゃあ……なんで俺を連れ出したの?」
その問いかけに対して栗原は、スマホの写真フォルダを開いて答えた。
「これです」
何だ?と彼女のスマホを受け取り、その画面をまじまじと見た。綺麗な栗色の髪をした少女が、暗い顔で彼方を見つめている様な光景が、画面に写し出されていた。しかし、その少女はただの少女では無かった。
まず耳が普通の人間とは違った。人間の様に丸い耳ではなく、後ろ方向に伸びて尖った、まるでエルフのような耳をしていた。身体にはシルク製だか何だかは知ら
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