第二章 〜再会のクロスベル〜 外伝〜それぞれの再会の鼓動〜
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て8人の婚約者がいるって話でしょう!?幾ら”英雄”と称えられて、将来大貴族になる事が内定しているからと言って、やっていい事と悪い事がありますよ!」
「全くだ!俺達どころか、世界中の男の宿敵ですよ、室長の婚約者――――”灰色の騎士”は!」
女性スタッフの一人がふと呟いた言葉を聞いた男性スタッフたちはそれぞれ血相を変えて反論した。
「いや、キモいから。というかそもそも、室長が1年半前その”灰色の騎士”さんと婚約関係になったからこそ、列車砲の件でRF(わたしたち)に対して怒りを抱いていたクロスベル帝国も矛を納めたそうだから、むしろ室長と”灰色の騎士”さんの関係が良好であり続けてもらわないと私達が困る事になるかもしれないわよ?」
「そうよね。大体その婚約は政略結婚な意味合いはあるけど、それは結果的にそうなっただけの話で室長自身は灰色の騎士と普通に恋愛をして婚約関係になったって話だし、イリーナ会長も二人の仲を公認しているのだから、”部外者”の私達が室長達の恋についてどうこう言う権利は――――――」
対する女性スタッフ達は呆れた様子で男性スタッフ達の反論に対して答え始めた。一方スタッフたちがそんな会話をしている事を知らない金髪の娘――――ラインフォルトグループ会長の一人娘であり、”旧Z組”の一人にしてリィンの婚約者の一人でもあるアリサ・ラインフォルトはオフィスチェアに座って通信を開始した。
「お待たせしました。―――ふふ、先月ぶりですね。」
「ええ、その節はどうも。運用レポートは受け取りました。ARCUSU――――順調みたいですね?」
アリサの通信相手――――漆黒の翼を背に生やした白衣の娘はアリサにある確認をした。
「ええ、おかげさまで。マスターシステムのサブ化も上手く行ってるみたいですし。遠距離通信の精度も思った以上に素晴らしいですね。」
「うーん、あれはブースターなどの設備がないとどうも不安定なのですが……RFの方で相応の設備を用意したんですか?」
「えっと、実はちょっと裏技を使わせてもらっていまして……今度お会いする時にでもお話しできると思うんですが。―――できれば、仕事以外のプライベートな時にでも……」
「……なるほど。こちらも何かネタを仕入れておきましょう。楽しみにしていますね。アリサ・ラインフォルト室長。」
「こちらこそ――――ティオ・プラトー主任。あ、それと私事になりますが、今度お会いする時に他にも聞きたい事があるのですが………」
「?私で答えられる事でしたら、答えさせて頂きますが……一体どのような事でしょうか?」
白衣の娘―――――リィンがクロスベルに派遣された際、ランディと同じくリィンの同僚だった元”特務支援課”の一員――――ティオ・プラトーはアリサの言
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