束ねるは星の息吹 輝ける命の奔流 其は……
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スカリバーの聖なる力に抗うまでの膂力は既にコカビエルには残っていなかった。
為す術無くエクスカリバーの極光に呑まれ、吹き飛ばされるコカビエル。
その顏に浮かぶは死への恐怖などではなく、どこまでも穏やかな表情だ。
聖なる光に呑まれたコカビエルが今際の際に回顧するは過去の数多の記憶。
神に仕えていた天使時代。
天界から追放され、堕天し堕天使へと堕ちた遥か太古の時代。
アザゼルを頭に三大勢力と三つ巴の争いを繰り広げた血肉沸き踊る大戦期。
死した仲間の無念を晴らし、あの血肉沸き踊る闘いを享受することを渇望した自分。
平和を謳うアザゼル達に業を煮やすしかなかった忌まわしき記憶。
再び三大勢力の三つ巴の闘いを再開すべく暗躍した現在。
全てが走馬灯の様に自身の頭の中を駆け巡り、輝かしい記憶として脳裏に浮かび上がる。
この光は…間違いない。この光は天界にて聖なる父、聖書の神から祝福を受けた輝き…。
俺は一体…
此方に優し気に微笑みながら手を伸ばす、かつての仲間達に弱々し気な様子で手を伸ばしたコカビエルの意識は此処で途絶えた。
全ては黄金の光に呑まれ、天へとその聖なる力の奔流は昇っていく。
やがてエクスカリバーの極光の光は天に十字架を刻む様にその姿を世界に現し、その力を周囲へと波及させ、惑星全体を震撼させた。
この瞬間、世界が浸透した。
天空の神々が、次元の狭間に住まう夢幻を司る真龍が、全ての人外達が、人々が、この惑星に住まう生きとし生ける全ての生物がウィスの存在を、そしてエクスカリバーの絶対的な力を感じた。
今日、この日リアス達は見た。
聖なる輝かしい聖剣の光を。
ある者はエクスカリバーの真の姿に涙を流し、ある者はウィスの姿に神の姿を、否、天使の輝きを見た。
ある者は最強の聖剣から放たれる神々しい極光の輝きに祈りを捧げ、信仰心を確たるものにした。
またある者は聖剣を担うウィスの姿を心に刻み込み、そしてある者達はウィスの超越的な力に驚きを隠せなかった。
周囲を見渡せばその圧倒的な余波に巻き込まれ、無残にも吹き飛ばれる白銀の鎧の姿も。
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