第1部
アリアハン〜誘いの洞窟
ナジミの塔
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うものを持っているらしい。
『魔法の玉』っていうのはいわゆる魔力蓄積器みたいなもので、詳しいことはわからないけど、とにかく使うと爆発するらしい。
なぜ破壊力抜群の魔力を秘めた『魔法の玉』が必要なのかというと、ここからずっと南東にある『いざないの洞窟』を通らないとこの大陸から出られないのだそうだ。
けれどその洞窟は昔から地震やがけ崩れが多いらしく、今では土砂が埋まって入り口が通行禁止になっている。
それを取り除くために『魔法の玉』というものが必要らしいのだ。
「ふん、そんなことも知らないとは、お前それでも武闘家か?」
「し、知らなくったって武闘家です!」
「あたしも知らないよ〜」
「お前には聞いてないウサギ女」
変なあだ名をつけられたのにもかかわらず、シーラちゃんはなぜかうれしそうにはしゃいでいる。
「ねえねえ、ミオちんにはなんかあだ名ないの?」
「知るかそんなの。こいつなんぞ鈍足女だ」
……結局つけてるじゃん。ていうかいつのまにかシーラちゃんにまであだ名をつけられている。
「そういうユウリさんは、その『魔法の玉』っていうのがどこにあるか知ってるんですか?」
「ホントに鈍い女だな。だからこれから探しにいくんだろうが。それからユウリでいい。敬語も使うな」
「あ、はい、すいません」
なぜか恐縮する私。
「あたしも呼び捨てで呼んでいいからね、ミオちん♪」
「あ、うん、わかった」
それはいいんだけど、その『ミオちん』ってのはどうかと思うなぁ……とはいえない小心者の私だった。
「ああ、それならあそこの家だぜ」
意外にも、村人に聞いてものの数分もしないうちに、その『魔法の玉』を所有している人の家の場所を教えてもらった。
だが、その人に会おうとしているということをその村人に言ったとたん、全力で否定された。
「あー、それは無理無理。なんたってあそこんちの爺さん、しょっちゅう変な魔法の研究してて、客が尋ねてきても無視してんのか絶対顔を出さねえんだ。しかも扉にはわけのわかんない鍵までつけて、勝手に開けることさえ許してくれねえ。ありゃあ中でよっぽど物騒な研究でもしてるんだぜ」
そんな怪しげな人から『魔法の玉』をもらわなければならないのか。私は横目でユウリをチラッと見た。
「だったら扉ごと壊せばいい」
とか本気で言いそうな表情をしていたので、私は思わず目線をそらした。
すっかり途方に暮れていると、シーラがなにやらせわしなく、しきりにきょろきょろしている。
「どうしたの、シーラ?」
「うーんと、この辺に酒場はないのかな〜、て思って」
「まだ飲み足りてないの!?」
確か昨日あの後ルイーダさんに、「これで最後」とかいいながら、ワインのような酒瓶を両手に持ち、浴びるように飲んでいたような気がしたんだけ
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