神は既に死んでいる
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を気にかけてくれる仲間と男性がいるはすですよ。」
ウィスの言葉を受け、アーシアは瞳に光を取り戻す。
一誠はウィスの言葉を肯定するように彼女を抱き締める力を強めた。
もう、アーシアは大丈夫だろう。
「さて、すみません。貴方達との会話の途中でしたね?」
ウィスはゼノヴィアとイリナの2人へと向き直る。
「これで理解して頂けましたか?聖書の神の死という事実を?」
「…待て…。」
「これまでの行いは全て主の意向だと思っていたのですか?」
「待て……。」
「主の意志だと信じ、行動してきた自分を崇高な存在だとでも思っていたのですか?」
「……!」
残酷なまでの事実を直視できなかったゼノヴィアは遂にウィスへと突貫する。
なりふり構わず彼女は破壊の聖剣をウィス目掛けて手加減することなく振りかざした。
だが、ウィスは左手の掌を前にかざすだけで受け止める。
「落胆させないでください。この程度ではないはずです。仮にも伝説の聖剣より創り出された聖剣の力は…。」
ウィスは実に緩慢に、流暢な動きで聖剣から手を離す。
「信じられませんか私の言葉が。」
「…当たりまえじゃないか…!」
「ですが"事実"です。」
「嘘だ!」
「聖書の神は既に死んでいただと!?これまでの私の行動は全て独善的なものだったと言うのか!?そんな戯言誰が信じられるか!」
ゼノヴィアは遂に発狂する。
そんなことは信じられないと、嘘だと。
「ならばこれまでの私の献身とは一体何だったのだ!?それではまるで私は、…"悪魔"ではないか!?」
これまで自分は聖書の神の信仰を相手に押し付け、神の名の元断罪してきた。
だが既に聖書の神はいない。
神のため、主のためと相手を切り捨ててきた。
何が神のためだ。
信仰する神の名を利用して傲慢に、独善的に相手を断罪してきただけではないか。
「…随分と面白い事を言いますね。今更とも言いますが…。そうです、今貴方は自分で認めたんですよ。"独善的"、"悪魔"だと。」
「あ…あぁ…あぁ…。」
遂にゼノヴィアは弱々しく目を見開き、聖書の神の死という事実に打ちひしがれる。
隣で意気消沈したように伏すイリナも同様だ。
「無理も無い事です。同情します。」
「この世界には最初から真実も嘘も存在しません。あるのはただ厳然たる事実のみ。にも関わらずこの世界に存在する全ての者は自らに都合の良い"事実"だけを"真実"として誤認することで生きています。そうするより他に生きる術を持ち得ないからです。」
「…ですが、世界の大半を占める力無き者にとっ
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