神は既に死んでいる
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カー》することに成功していたのですが、ウィスさんと相談した結果、暫くの間は内緒にしておこうと決めていたもので…。」
口を濁す木場。
「これが神が死んだという否定の仕様が無い証拠です。」
これで認めざるを得ないだろう、聖書の神の死を。
「聖と魔の融合…。」
「そんな、有り得ないわ…。」
ゼノヴィアとイリナの2人は打ちひしがれることしかできない、目の前の事実に。
「聖書の神が死んだことによって聖と魔のバランスが崩れ、このような亜種の禁手が生まれました。」
そして神が死んだ証拠はこれだけではない。
「そして世界に散らばる数多の神器の中枢的器官であるシステムを扱う神が死ぬことによって不具合が生じ、例外的なこの禁手が生まれ、アーシアの様に異端者として追放される存在が生まれたんです。」
ウィスはどうしようもない事実を容赦無く突き付ける。
「神とは…、人々の信仰や自然現象が具現化した存在であり、人々の献身と信仰が無ければ存在を保てない完全でありながらどこか不完全な存在です。故に悪魔さえ癒してしまう神器である聖母の微笑を持つアーシアは追放せざるを得なかったんですよ。」
「そんな…、なんでだよ!?」
余りにも勝手で、残酷なアーシアの処遇に一誠は我慢できずに声を荒げてしまう。
「システムが正常に機能していない今、アーシアの様に少しでもシステムに影響を与える可能性を秘めた存在は追放するのが妥当な判断だからです。」
遂にアーシアは泣き出してしまう。
彼女が追放された理由の背景には信仰していた教会に加え、天界の天使達でさえ関与していたのだ。酷すぎる。1人の少女が背負うには重すぎる事実だ。
だが彼女は真実を知る必要がある。
見れば嗚咽を漏らすアーシアを一誠は優しく抱きしめていた。
「……ですがそんなに悲観することではありませんよ、アーシア?」
だがウィスの語りはこれで終わることはない。
「確かにアーシアは信仰していた存在に裏切られ、追放されたかもしれません。ですがいつだってアーシアは己の良心に従い、自らの意志で行動してきたはずですよね?」
「貴方の信仰心は紛れもない本物であり、悪魔となった今でもその穢れの無い在り方は変わっていません。それで良いではありませんか。」
天使、堕天使、悪魔など関係ない。
種族の違いなど些細な問題なのだから。
「ウィスさん……。」
そう、人々はいつだって神々の思惑を越え、自らの足で歩き続けてきた。
"命ある限り前に進み続けること"、それが人が有する唯一無二の強さだ。
「それに今のアーシアには誰よりも貴方のこと
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