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黄金バット 第二十話 フーマンチュー博士奈良での死闘
第四章

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「十二時を過ぎた、それで目的を達成出来なかったからな」
「去るというのか?」
「魔人は言ったことは絶対に守るからな」
「自分が言ったことを必ずやろうとするのが魔人だ」
「悪いことでもそれは守る」
「それが出来ないと諦めて去る」
「それが魔人だからな」 
 皆もその魔人を見て思うのでした。
「だからか」
「ここは帰るのか」
「諦めて」
「そうしてか」
 博士は皆に答えませんでした、ですが黄金バットとの戦いを中断して黄金バットにまた会おうと言ってでした。
 今度は筋斗雲を出してそれに乗ると何処かに飛び去ってしまいました、博士がいなくなると黄金バットもでした。
 何処かへと飛び去ってしまいました、こうして東大寺の大仏さんの攻防は終わりました。そうしてでした。
 知事さんは危機が去った東大寺の本堂そしてその中に鎮座している大仏さんを見て東大寺を守ろうとしていた皆に言いました。
「黄金バットに助けられたな」
「はい、まことに」
「本当によかったです」
「あと少しで危ないところでした」
「フー=マンチュー博士に本堂を破壊されていました」
「大仏さんも何もかもが」
「そうならなかったのは神仏に仕える人達が祈り唱えてくれて」
 そうしてキョンシー達を成仏させてというのです。
「黄金バットもいてくれてだ」
「そうしてですね」
「今回の危機は退けられましたね」
「一時はどうなるかと思いましたが」
「そうなる、本当にな」
 それこそというのです。
「もし東大寺の人達が立ち上がらず他の神社仏閣の人達も駆け付けてくれずな」
「そうしてですね」
「黄金バットが来てくれないと」
「その時はですね」
「大仏さんはなくなっていましたね」
「今頃は」
「そうなっていた、今回立ち上がってきてくれた人達皆にだ」
 神社仏閣の人達にも黄金バットにもというのです。
「奈良県知事として感謝する、今は去ってしまった黄金バットにもな」
「何処から来て何処に去るのかわかりませんが」
「その正体さえも」
「それでもですね」
「感謝せずにはいられませんね」
「心から感謝する」
 こう言うのでした、黄金バットが去った後の奈良のお空は何処までも青く澄んでいました。危機が去った後には清らかなお空がありました。


黄金バット第二十話   完


                  2017・12・21
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