第三章
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お二人はそうした葉を貰えるだけ貰ってそうしてでした、それぞれのお家に帰りました。そしてバミーさんの奥さんはご主人がお仕事から帰るとその葉のお話をしましたがご主人はそのお話を聞いて言いました。
「捨てるのかい」
「ええ、そういえばお店のお野菜はね」
「葉を切ってるね」
「あれは邪魔らしいのよ」
「葉があるとその分かさばるからかな」
「そうみたいね、それで切ってお店に出して」
人参や蕪をです。
「葉は捨てるのよ」
「そうしてるんだ」
「それでなのよ」
「君とピーター君の奥さんは葉を貰ってだね」
「それもお料理に使うから、だからね」
「お野菜が高い間はだね」
「葉の料理が多くなるわよ、けれどその分ね」
葉、ただで貰うそのお料理がある間はというのです。
「節約しないで済むわよ」
「じゃあわしも煙草やウイスキーをだね」
「楽しめるわよ」
「それは何よりだよ、ではね」
「ええ、これからね」
「お料理を作ってくれるんだね」
「そうさせてもらうわ」
こうご主人に言うのでした。
「私達は葉も大好きだからね」
「兎はね、しかしそんな有り難いものを捨てているなんて」
ご主人は奥さんに首を傾げさせつつ言いました。
「八百屋さんも勿体ないことをしているね」
「だって兎は葉も食べるけれど」
「他の生きものはそうも限らないからだね」
「葉は捨ててるみたいよ」
「そうなんだね」
「けれど捨てる位なら」
それこそというのです。
「そうしてちゃんと使わないとね」
「食べないと駄目だね」
「炒めたりシチューに入れたりして」
その葉の調理の仕方も言う奥さんでした。
「そして酢漬けも作るから」
「いいねえ、じゃあね」
「今から作るからね」
「出来たら子供達も読んでね」
「皆で食べましょう」
その葉達を沢山使った晩御飯をというのです、思わぬ節約が出来てご馳走も食べられることに笑顔のお二人でした。
ベンジャミン=バミーさんのお話 完
2017・11・10
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