第二章
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「秋の長雨でね」
「お野菜が不作だったみたいね」
「そのせいでね」
「お野菜が高いのよね」
「人参も蕪もね」
「キャベツもレタスもね」
「お豆も高いし」
これもというのです。
「ジャガイモも玉葱も」
「とにかく何でも高くて」
「困るわね」
二人で困ったお顔でお話します、そしてです。
市場の八百屋さんに行ってもです、困ったお顔でいました。それでお二人でお店の中のお野菜を見ながらお話します。
「何を買おうかしら」
「人参も蕪も買うけれど」
「どっちも高いし」
「キャベツだってね」
「高いわね」
どうにもとお話して困っています。
そしてその中で、です。バミーさんの奥さんはお店の隅にある人参や蕪、キャベツやレタスのいらない部分の葉があるのに気付きました。それでピーターのお母さんに対してそうした葉達を指差して言いました。
「ねえ、あれ」
「あっ、葉が一杯あるわね」
「ええ、人参なり蕪なりね」
「その葉がね」
「一杯あるわね」
「あれを買ったら」
「そうよね」
それこそというのです。
「かなり助かるわ」
「あれだけあったら色々作れるし」
「余りそうなら酢漬けに出来るし」
「それで長い間食べられるから」
「買いましょう」
「そうしましょう」
「ああ、買わなくてもいいよ」
店長の栗鼠のおじさんが二人に言ってきました。
「どれも邪魔だから切ったり取ったものだからね」
「邪魔なの」
「そうなの」
「そうだよ、全部ね」
お店の隅にある葉はというのです。
「そんなものだから買わなくていいよ」
「じゃあ貰っていいの」
「そうしていいの」
「いいさ、売る程のものでもないし」
だからだというのです。
「こんなのだったら好きなだけ貰っていいよ」
「そうなの、じゃあね」
「それ貰うわね」
「それでお家でお料理するわね」
「そうするわね」
「好きにしていいよ」
こう返したおじさんでした、そしてです。
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