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132部分:ヴァルハラの玉座その十三
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ヴァルハラの玉座その十三

「今度はより効果的な方法がある」
「それは」
「敵の後方に回り込む」
 彼は言った。
「そしてクプファーの艦隊と連動して挟み撃ちにする。いいな」
「敵の後ろからですか」
「そうだ。最初からこれを考えていた」
「最初から、ですか」
 それがジークフリートの戦術であった。クプファーの艦隊に対して挟み撃ちを仕掛ける敵艦隊の一方を急襲で撃破し、返す刀でクプファーと連動して残る敵艦隊を叩く。海賊の機動力を活かした鮮やかな戦法であった。
「今のところそれは上手くいっているな」
「後は最後の段階ですか」
「ここで決めるぞ」
「はい」
 部下達は彼の言葉に頷いた。
「それでは」
「このまま第五惑星を迂回する」
 モニターには第五惑星に向かう自身の艦隊が映し出されていた。
「そして敵の後方に出てそこから急襲を仕掛ける。よいな」
「わかりました」
 艦隊はジークフリートの言葉通りに動く。そのまま第五惑星を迂回した。遂に敵の後方に出現した。
「面舵一杯!」
 ジークフリートは全艦に右旋回を命じた。
「そのまま敵の真後ろに回り込め!」
「ハッ!」
「後ろを叩く!一気に踏み潰せ!」
「わかりました。全軍攻撃開始!」
 すぐに前面に対して総攻撃が仕掛けられた。それは帝国軍の背を撃った。
「敵襲!」
「何っ、何処からだ!」
 それを受けた帝国軍は思いも寄らぬその攻撃に浮き足立っていた。すぐに敵を探す。
「後ろからです!かなりの火力です!」
「何だと!ここには一個艦隊しかいない筈だぞ!」
 帝国軍の司令はすぐにモニターを見る。そしてそれを目の当たりにして身体を凍りつかせた。
「な・・・・・・!」
「敵一個艦隊がこちらにやって来ます!攻撃をなおも続けています!」
「戦艦一隻撃沈!空母三隻が中破です!」
「損害率三割突破!戦闘能力がこのままでは!」
「ヌウウ・・・・・・」
 司令はその報告を聞いて呻いた。だが呻いたからといってどうにもなるものではなかった。
「前方の艦隊も来ました!攻撃態勢に入っております!」
「後方の艦隊尚も接近!このままでは!」
「止むを得ん」
 ここに来て彼は決断を下した。
「全軍降伏だ。よいな」
「はい・・・・・・」
 艦橋の者はそれを聞いて胸を撫で下ろす者もいれば無念そうに俯く者もいた。
「敵艦隊に通信を送れ。すぐに降伏したいと」
「わかりました」
「そして私も・・・・・・うっ」
 ここで異変が起こった。彼はその異変の中で死んだのであった。
 帝国軍の艦隊はジークフリートの前に降伏した。彼はそれを許しすぐに帝国軍の武装解除に移った。だがここで一つ気になる話を聞いた。
「敵の司令官は自決したのか」
「はい」
 報告した部下がそれに
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