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とある3年4組の卑怯者
139 文通相手
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「ありがとう、でもどうしても忘れられなくて・・・」
「堀さん、また何かされたら私達で何とかするわ」
「そうです。今度の日曜に堀さんが文通しているお相手とお会いできるんですからそれを楽しみにしましょうよ!」
「え、堀さんの文通相手?」
「はい、野口さんって言うんです。堀さんは転校する前からその人と文通なさっていたんです。その人も清水市に住んでいるとのことで、今度会いに行く予定なのです!」
 みどりが西原に説明した。
「そうなんだ」
「よろしかったら西原さんも行きますか?お友達を是非連れて来ていいとその方も仰っていたので」
「ありがとう、でもこっちも用事があるんだ・・・」
「そうでしたか」
 みどりはその後、クラスメイトと楽しく過ごした。ただ、いじめに加担した者を見る度に体が震える堀が配だった。


 そして文通相手の家へ訪れる日が来た。みどりは堀の家へと向かった。
「お待たせ、吉川さん」
「それじゃあ、行きましょうか」
「ええ」
「住所はお分かりですか?」
「ええ、地図も貰っているわ」
 堀は文通相手が書いたとされる手書きの地図を出した。二人はその地図に従って道を進んだ。

 暫くしてとある一軒の家に到着した。表札には「野口」とあった。
「ここですか」
「ええ、間違ってはいないわ」
 堀は呼び鈴を鳴らした。その時、一人の女子が出迎えた。
「こんにちは。堀です」
「あ〜ら、貴方が堀さん、お友達、連れてきたんだ・・・」
「ええ、同じ学校に通う吉川みどりさんよ」
「初めまして。吉川みどりと申します」
「初めまして・・・。私は野口笑子です・・・」
 みどりと堀は野口の家に上がった。その時、陽気な老人が出迎えた。
「お〜や、え〜み子の友達か〜い?」
「うん・・・。文通相手だよ・・・。あ、この人、私のおじいちゃんだよ・・・」
「こんにちは」
「ど〜ぞ、ゆっくりしていってね〜ん」
 野口の祖父は孫とその友達を居間へと案内した。孫と違い、ハイテンションである事にみどりも堀も少し驚いた。
「二人とも、今日はよく来てくれたね・・・」
「ええ、同じ清水市内に住んでいるから、これからは何度でも顔を合わせる事ができるわね」
「ところで、野口さんはお笑い好きだって堀さんからお聞きしたんですが、本当ですか?」
「いい質問してくれたね・・・。お笑いに関するテレビやラジオを視たり聴いたりするのは欠かせないね・・・。クックック・・・」
「すごいですね」
「あと、浅草に行ったお笑いを見に行ったこともあるよ・・・。あれは最高だったね・・・。クックック・・・」
「浅草ですか」
「うん、他にもお笑いの街である大阪にも行った事あるよ・・・。ただ、あの時は別の用事で行ったから公演は見れなかったけどね・・・。あ〜あ、上方の落
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