暁 ~小説投稿サイト~
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
241―Ex.幻想閑話集
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時に〟いつも浮かべている笑みを更に深めた。

そもそも、上述した様に〝月〟と〝ガチ〟で()るなんて負け戦も同然だし、俺が出て十把一絡げに鏖殺(おうさつ)するのも恐らく不可能ではないが、〝不殺(ころさず)〟がウリであるスペルカードルールを流布(るふ)した紫がそれに反した要請をするのもおかしな話。

ともすれば、選択肢はごく限られてきて──早い話が消去法だった。

俺は紫に返事をする事にした。

「……まぁ、良いか」

「なら…?」

「ああ、(うけたまわ)った」

「礼を言うわ」

結局のところ、俺は紫からの要請を承諾した。悪い言い方だが高見の見物をさせてもらう事に。

……確かに、俺もまた永琳に一杯喰わされたものだが、さる〝永夜異変〟で輝夜と再会出来てある程度溜飲も下がっているし──何より、紫が〝月〟とどう()るか気になったのだ。

(あっ、ちょっと待てよ? そう云えば…)

堅い話はそこまでとして〝さあ、酒を飲もう〟と云ったところで、不意に〝とある事を〟思い出し、〝あれ〟を紫に呑ませてみようと〝倉庫〟に手を突っ込む。

……それが紫にとってどういう意味をもっているのか全くも考えずに…。

「そういや、〝月面戦争〟で思い出したんだが」

俺はそう前置きをして〝倉庫〟から古めかしい瓶を取り出す。

「何その瓶」

「酒瓶さ」

「あ、美味しい」

「そいつは重畳(ちょうじょう)

俺が〝倉庫〟から取り出したのは昔、【月の都】のとある豪邸から火事場泥棒的に盗んできた酒で、紫の盃にも注いでやると、紫は盃に口を付け、その味に顔を綻ばせる。

……そしてそれも束の間。今度は表情を一転させ、〝恐る恐る〟と云った感じで()いてきた。

「……嫌な予感がするのだけれど──一応()いておこうかしら。……これ、どこのお酒?」

「昔、【月の都】から掻っ払った。多分〝月〟の金持ちの自造酒。当初は味がビミョーだったんだが、ちょちょいのちょいとテキトーに300年ほど加速させたら、中々の銘酒に化けてくれた」

「そう──ふ、ふふ…」

そこまで語ると、何故か紫が乾いた笑みを浮かべた。

……後になって紫から聞いた話だが、紫は此度の〝月面戦争〟で〝あの姉妹〟の〝妹〟の方をレミリア達が──〝姉〟は紫自身が囮となって引き付け、空いた【月の都】を浄土の存在である幽々子に〝面白そうなもの〟を家捜しさせるつもりだったらしい。……ちょうど俺が今出した酒の様なものを…。

「ねぇ、真人。このお酒私に分けてくれないかしら?」

「……? 別に構わんが」

「ありがとう」

紫はそう礼を述べると〝スキマ〟を開き「前提
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