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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第41話 黒いオーブメント
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紙……ですか?」


 グラッツさんが懐から取り出した手紙を見てみるとこのオーブメントは誰かがカシウスさんに送ろうとしていたらしい。カシウスさんに送ろうとしていた人物の名前は書いてなくKというイニシャルだけが手紙に書かれておりそのKという人はこれをカシウスさんに『R』博士という人物にこのオーブメントを渡すよう手紙に描かれていた。


「送り主の名前はKか……このオーブメントは誰かがカシウスさんに送ろうとしていたんでしょうか?」
「そうみたいね、でもR博士って一体誰なのかしら?」
「博士って事は技術者なのは間違いないな、ただゼムリア大陸には名のある人物が多すぎて誰を示しているのか分からないな」


 まあRというイニシャルだけで判断するのは難しいだろう。


「でもこのオーブメントがカシウスさん宛なら俺じゃなくてご家族のエステルさんに渡すべきじゃないんですか?」
「俺もそう思ったんだが生憎依頼が溜まっててな、他の遊撃士も動けない状態なんだ。俺もボースからロレントまでの護衛の依頼を終えて近くに来ていたからここにこれたんだ」
「動けない状態ですか?」
「最近魔獣の動きが更に活発になってきたの。その対応のお陰で私たちは休む暇もないわ」


 だからシェラザードさんや他の遊撃士の人も朝から姿が見えないのか。


「そんなことも知らずに休んでいたりしていたなんて……すみません」
「謝ることはないわ、あなたは遊撃士じゃないもの。寧ろそれ以外の雑用を手伝ってもらっているのに文句なんて言えないわ」


 俺はすまないとアイナさんに頭を下げるがアイナさんは逆に俺に頭を下げてきた。


「かといって普通にエステルの所に送ろうとしても匿名までしてカシウスさんに送ろうとしていた物だ、何者かに狙われるかもしれないしな」
「狙われる……」


 俺はグラッツさんの言葉を聞いて不意にボースやルーアンで見た黒装束たちを思い出した。


「なるほど、ある程度腕が立つ者が必要なんですね。でもいいんですか?俺はあんまり危ない事は出来ないんですが……」
「まあな、でも今は猫の手も借りたいほど忙しくてな、正直どうしようもねえんだ」
「私としても本当は駄目って言いたいんだけど今は本当に切羽詰まってるの。頼めないかしら?」


 アイナさんがそう言うって事は本当に人手が足りてないんだな……よし、ここは力になろう。


「分かりました、それをエステルさんたちに届ければいいんですね。ちょうど暇をしてますし俺にやらせてください」
「すまないな、エステルたちはルーアンからツァイスに向かっているらしい」
「ツァイスですか、分かりました。直に向かいます」
「何だったらツァイスの温泉にでもよってゆっくりしてきてもいいのよ?」
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