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足の裏の毛
第一章
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ね」
「そうでしょ、もうお店に出すベーコン出来たから」
 燻製のそれがというのだ。
「切ってお店に出しておいて、あとお父さんと店番代わって」
「わかったよ」
 店、つまり家のことには素直に頷くオルボルグだった。それで実際にベーコンを燻製窯から出して切って店に出して店番もした。
 オルボルグは店のことも学校の勉強のことも真面目にしていた、しかしどうしても足の裏の毛のことが気になってだ。学校でも先生に尋ねた。
「あの、ホビットの足の裏の毛ですけれど」
「それがどうしたんだね?」
 先生はオルボルグに怪訝な顔で応えた。
「我々の足の裏の毛のことが」
「そこの毛は足の裏を守る為の毛ですよね」
「その通りだよ」
 先生の返事はオルボルグの母と同じものだった。
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