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リング
120部分:ヴァルハラの玉座その一
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。ニーベルング家なぞというのは聞いたこともない」
「貴族の家であることは間違いないようですが」
「一応はそうなのだろうな」
 だがジークフリートの言葉は懐疑的なものであった。
「一応はな」
 それは名前でわかる。『フォン』というのは貴族の称号である。出自の知れない海賊の首領であるジークフリートにはそもそも縁のないものではあるが。
「しかし宇宙軍総司令官というのは非常な地位だ」
「はい」
 これは言うまでもなかった。帝国軍の基幹戦力である宇宙軍を預かっているのだ。これは道理であった。

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